【市政】斉藤市長が平成28年度「施政方針演説」=全文掲載

熱海市議会2月定例会が26日開会し、斉藤栄市長が平成28年度施政方針演説を行った。今年度は熱海の第三の成長期をつくるべく、「新生熱海」実現を目指し、「日本でナンバー1の温泉観光地づくり」「住まうまち熱海づくり」「市民のための市役所づくり」を3本柱とした。以下全文。

1.はじめに

平成28年2月市議会定例会が開催されるにあたり、私の市政運営について所信を述べさせていただくとともに、平成28年度の施策の概要を申し上げ、議員各位、並びに市民の皆様のご理解とご協力をいただきますよう、お願い申し上げます。

(1)「住まうまち熱海づくり」のための諸施策を強力に実行

平成27年度より、熱海の第三の成長期をつくるべく、「新生熱海」の実現を目指し、「日本でナンバー1の温泉観光地づくり」、「住まうまち熱海づくり」、「市民のための市役所づくり」を3本柱とした市政運営をスタートいたしました。
教育・子育て環境の充実や高齢者福祉の向上を通じ、市民の暮らしを豊かにしていく「住まうまち熱海づくり」のためには、同時に、一層の観光・商業振興により温泉観光地の横綱としての圧倒的な熱海をつくり、豊かになるための原資を稼ぐことが不可欠です。
原資なくしては、更なる市民福祉の向上を図ることはできないという現実にしっかりと立脚しつつ、「住まうまち熱海づくり」のための諸施策を強力に実行し、「新生熱海」の実現のための取組を新たなステージへと押し上げてまいります。

(2)地方創生元年

平成27年度には、幅広い年齢層からなる市民をはじめ、市内各種団体の代表者の方々や学識経験者の皆様にご協力をいただき、「第四次熱海市総合計画後期基本計画」、「熱海市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン」及び「熱海市総合戦略」を策定いたしました。
平成28年度を本市の地方創生元年と位置づけ、人口ビジョンにおいてお示しした、人口減少に関する認識、出生率の上昇や若年層の転出超過の半減を目指す方向性を官民が共有しながら、総合戦略に位置づけた戦略を着実に進めてまいります。

(3)市政運営の原点である「参画と協働」、「市民との対話」

熱海をより良くしていきたい。この想いは、市民、産業界、議会、そして行政が同じくしているものと信じています。そして、その共通の想いのもと、この熱海をより良くしていくためには、行政はもとより、市民、産業界、議会も、まちの課題を自らの事として捉え、それぞれが役割と責任を持ちながら、市の運営に参画し、協働していくことが不可欠です。
そして、「参画と協働」をより一層、促していくため、行政としても、様々な情報を市民の皆様に分かりやすくお伝えしていくとともに、あらゆる機会を捉え、市民の皆様との対話に全力を尽くしてまいります。
「参画と協働」、そして、「市民の皆様との対話」こそが、「日本でナンバー1の温泉観光地づくり」、「住まうまち熱海づくり」を実現し、この熱海をより良くしていくための土台であるということに改めて思いを致しながら、諸施策を着実に前に進めてまいります。

2.平成28年度の重点施策

(1) 日本でナンバー1の温泉観光地づくり

① 当面の展望
平成27年は、韮山反射炉の世界文化遺産登録や伊豆市での東京オリンピック大会自転車競技の開催決定など、伊豆地域に追い風が吹いた1年でありました。また、本年3月中には、「美しい伊豆創造センター」を中心に、積極的に誘致活動を行ってきた平成30年度JRデスティネーションキャンペーンの開催場所が決定の予定ですが、勢いそのままに、伊豆地域に決定されることを強く期待しております。
本市は、平成27年、久しぶりに300万人を超える宿泊客をお迎えすることができました。同時に、税収面でも改善傾向が見られるように、市内経済も活性化してきていることが見て取れるようになりました。
2019年にはラグビーワールドカップ、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。このような、観光地熱海を国内外に発信する節目、またとないチャンスを活かす機会が訪れる一方で、ますます不透明感を増す経済動向など不安要素も多く存在します。
本市の観光振興は、ここ数年が正に正念場であります。日本でナンバー1の温泉観光地を実現するべく、これまで以上に市民、産業界そして行政が共に協力し合いながらシティプロモーション、観光まちづくりに取り組み、観光客の満足度を高めてまいります。

② 観光客の満足度向上
今、熱海はここ十数年来で最も多くの観光客をお迎えしております。この方々にしっかりと熱海の魅力を感じてもらうとともに、何度も訪れて頂けるよう、まち一丸となって、観光客の満足度向上を図っていく必要があります。
平成28年度も、市民の皆様や産業界と行政が役割分担をしながら、同時にしっかりと連携を図ることを基本として、シティプロモーションと観光まちづくりを同時に推進してまいります。
観光ブランドプロモーション事業につきましては、平成28年度から30年度までの新たなステージに入ります。これまでの3年間に行ってきた来遊客増加を大きな目標とした、統一テーマでの情報発信、回遊性向上などの取り組みとともに、「意外と熱海」から、「やっぱり熱海」だと言っていただけるよう、テーマやターゲットの明確化、閑散期の誘客対策のほか、夜の街の回遊性創出などに着手してまいります。
また、「ジャカランダ遊歩道」が整備されたお宮緑地には、植栽されて間もない若木が中心ではありますが、ジャカランダが紫色の鮮やかな花をつけ、初夏の熱海を訪れる観光客の目を楽しませております。世界三大花木の一つに数えられるジャカランダではありますが、日本国内での知名度は今のところ低い状況です。入込観光客数が落ち込む6月の熱海の大きな誘客資源であるジャカランダを国内外に発信するため、旅行会社に対し旅行商品造成を目的としたプロモーション活動などを行ってまいります。
次に、熱海駅前広場につきましては、駅舎・駅ビルが平成28年中に熱海・伊豆の新しい玄関口として完成する予定であります。この完成に合わせ、駅舎・駅ビル前のシェルター整備、点字ブロック設置等の整備を行い、駅前広場整備を完了してまいります。
熱海駅観光案内所につきましては、訪れる観光客が必要な情報を効果的に入手し快適に旅を楽しむことができるよう、熱海の玄関口のみならず、伊豆半島ジオパークのビジターセンターの機能を有する伊豆全体の玄関口にふさわしい観光案内所として、新駅ビル内に設置してまいります。
また、東京オリンピック・パラリンピックが近づくにしたがい、訪日外国人観光客が一層増加していくことが予想されます。外国人を含む観光客の受入れ環境の充実のため、引き続き公共施設への公衆無線LANの整備を進めるとともに、民間施設が実施する無料Wi-Fiスポットの整備に対する補助制度を新たに設け、訪れた観光客が「いつでもどこでも無料Wi-Fiを利用できるまち」を目指し、整備を加速してまいります。
さらに、観光地として重要な要素である公共トイレにつきましては、建設から長い年月が経ていることや利用者ニーズが変化していることから、利用頻度が高い熱海港海岸線周辺のトイレから計画的に改修を進め、快適にご利用頂く環境を整備してまいります。

③ まちの賑わいの創出
本市では就職や転職を理由とする若年層の転出増加が大きな課題となっています。そのような中、熱海の基幹産業である観光関連産業を中心として、人手不足の状態が継続していることから、静岡労働局とも連携しながら、ミスマッチの解消と人材の確保に向けた取り組みを進めてまいります。
また、若年層の雇用の場を創出し、地域経済を活性化していくためには、新たなビジネスに取り組みやすい環境やビジネス展開しやすい環境を整備し、一次産業も含め、多様な産業構造を構築していくことが不可欠です。そのため、平成27年度に構築した、熱海商工会議所を中心に市、金融機関、宅地建物取引業協会及びNPO法人が連携する官民協働の創業支援体制を強化し、熱海の魅力の内外への発信と伴走型の支援を実施し、若年層の地域への定着を促進してまいります。同時に、地域資源である遊休及び低利用の不動産の活用を促し、新たなビジネスに取り組みやすい環境を整備するため、「リノベーションまちづくり構想」を策定します。創業支援体制の強化とリノベーションまちづくりを両輪として、この熱海に新たな産業と雇用を創出し、まちの賑わいを創出してまいります。

(2) 住まうまち熱海づくり

① 教育・子育て環境の充実
本市の課題である少子高齢化の進展に的確に対応し、人口減少に歯止めをかけるためには、子育て世代や高齢者の皆様の暮らしを豊かにする「住まうまち熱海づくり」をさらに強力に進めていく必要があります。
まず、特別支援教育の更なる充実のため、支援を要する子どもの増加に対応した幼稚園の特別支援指導員を1名、小中学校の学習支援員を1名増員します。また、平成32年における小学校の英語教科化などに向けて、市立幼稚園・保育園、小中学校に派遣するALT(外国語指導助手)を1名増員し、英語教育の充実を図ってまいります。
施設の老朽化が課題であった緑ガ丘幼稚園と小嵐保育園への対応とともに、良質な幼児教育と利便性の高い保育の双方を総合的に提供するため、幼保連携型認定こども園の整備に向けた検討を深めてまいります。
子どもの遊び場づくりにつきましては、渚小公園に続き、今後複数年度をかけ、市内公園の既存児童遊具の検証及び見直しを行ってまいります。平成28年度はまず、南熱海地区長浜海浜公園の芝生広場に、幅広い年齢の子どもたちと、家族で集い楽しむことのできる魅力ある複合遊具を設置いたします。
本年2月にオープンした「IPPOあじろ園」の本格的な運営を通じ、就学前の発達に課題や遅れの不安を持つ子どもの専門的な療育環境を提供してまいります。
また、放課後児童クラブを利用する際の利用料軽減措置を開始し、子育てと仕事をひとりで担うという厳しい状況に置かれたひとり親家庭への経済的支援の充実を図ってまいります。
学校施設等につきましては、子ども達がより安全・安心に過ごすことができるよう、緊急的に必要な修繕を実施していくとともに、平成28年秋頃を目処に教育委員会施設修繕計画を策定し、平成29年度以降、計画的に中長期的な修繕、メンテナンスに取り組んでまいります。
また、奨学金制度につきましては、真に必要としている優良な学生が、経済的理由により進学を断念することがないよう、「頑張る学生の進学応援奨学金」として、基準内の学生全員に貸与できるよう奨学金の制度の拡充を図ってまいります。
静岡県立熱海高等学校につきましては、引き続きその通学路となる「さくらの名所散策路」を、平成28年度中の完成に向けて整備を進めるとともに、県、市、産業界、地域の関係者の皆様と連携しながら、同校の魅力向上、人材育成及び輩出機能の強化に向けた支援を行ってまいります。

② 高齢者福祉の向上と市民の健康づくり
平成28年度より、交通不便地域にお住まいの高齢者の皆様を対象に、まちでの居場所づくりを通じた外出機会と外出手段の提供を試行的に行ってまいります。
具体的には、桃山地区、中野地区、和田木地区の公共交通の不便地域にお住まいになる高齢者の皆様を対象に、市内公共施設や、飲食・スーパー等をはじめとする民間事業者が提供する多様なサービスを活用する機会を提供するとともに、そのための外出を支援するべく、毎週1回、貸切バスを運行してまいります。
高齢者の外出ニーズは買物や通院にとどまらず、多様なものです。そして、熱海市内には、地域資源ともいえる多様なサービスを提供する民間事業者が多く存在します。市内の民間事業者と連携を図りながら、まちでの居場所づくりを通じた外出機会とバスによる外出手段の提供を同時に進め、高齢者が友人や地域とのつながりをつくり、心身の健康を維持しながら質の高い生活を送ることを支援する熱海版外出支援の仕組みを構築してまいります。
また、「高齢者のまちでの居場所」の一つとして、総合福祉センターの改修工事を昨年来進めてきたところです。平成28年度につきましても、高齢者の方々が安心して、気軽に立ち寄れる施設となるよう、3階大広間の改修など施設・設備の機能回復や整備を引き続き行ってまいります。
健康づくりにつきましては、40歳以上の国民健康保険被保険者が対象の「特定健康診査」及び40歳以上の市民を対象とする「大腸がん検診」の自己負担額の見直しと、大腸がん検診の実施期間の拡大により、「特定健康診査」と「大腸がん検診」がワンコイン500円で一度に受診できる体制を構築するなど、受診しやすい環境の整備を進めてまいります。

③ (仮称)熱海フォーラム
(仮称)熱海フォーラム整備事業につきましては、世代を超えて市民が集う場とするべく、3つのコンセプト「豊かな暮らしの創造」、「市民参画・『市民の集う場』づくり」、「持続的に運営可能な施設」を掲げ、これらを実現するため施設に求める機能を市民ホールと図書館を中心とし、市民が使いやすい、市民のための施設となるよう検討を進めています。
整備手法につきましては、財政負担の軽減や公共サービスの向上を目的に、民間のノウハウを最大限活用した事業実施を基本として、地元の企業が企画設計から建設運営まで参画可能な官民連携手法で持続的に運営可能な施設整備を引き続き検討してまいります。
今後、これまでの検討委員会やワークショップ等でのご意見、ご提案を反映させた整備イメージをお示ししつつ、引き続き、市民の皆様としっかりと対話を重ねながら(仮称)熱海フォーラム整備事業を推進してまいります。

3.各部門の主要施策

続きまして、平成28年度の主要施策について、部門毎に説明申し上げます。

(1) 経営企画部門

まず、経営企画部門についてです。
市役所の最大の経営資源は職員です。「人材育成ビジョン」を踏まえ、意欲と能力の高い職員の確保に努めるとともに、本市初となる民間企業研修の実施など研修の多様化を進め、人材育成に取り組み、組織力の強化に努めてまいります。また、正規職員の減少もあいまって、恒常的業務や負担の大きな業務を継続的に担っている状況がみられる非正規職員については、正規職員の適正配置を図ることにより、本来の臨時的業務を担う環境を整備していくとともに、非正規職員の賃金等の処遇改善を検討してまいります。
情報システムにつきましては、サイバー攻撃など外部からの脅威に対抗しつつ新たな技術、システムの導入も含め、引き続き個人情報の保護と行政事務の質の向上に努めてまいります。
市民や観光客の皆様への重要な情報提供手段であるホームページにつきましては、目的のページへのたどり着きやすさなど、利用者の視点を第一にリニューアルいたします。
本年7月に予定されている参議院議員通常選挙から、選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられますが、高校生を対象にした主権者教育の充実に加え、主に通勤・通学者の方が投票しやすい環境を整備するため、新たに熱海駅前に期日前投票所を開設するなど、投票率向上のための取り組みを進めてまいります。
庁舎敷地内に建設する中央町駐車場につきましては、平成28年度より供用を開始いたします。また、教育委員会を第3庁舎1階へ移転させ、更なるバリアフリー化を進めることにより、子育て世代や市民の皆様が使いやすい、機能性の高い市役所を目指してまいります。
公共施設マネジメントにつきましては、現在策定中の「公共施設等総合管理計画」の方針に沿って、市民の皆様の御意見を伺いながら公共施設の総合的な見直しを行い、最適化を検討してまいります。
平成29年は、昭和12年の市制施行から数えて、80年の節目の年を迎えます。市制施行80周年を多くの市民が参加して、郷土愛を醸成する記念事業が全市で行われるよう、市民の皆様と実施事業などの検討を進めてまいります。

(2) 市民生活部門

次に、市民生活部門についてです。
エコ・プラント姫の沢につきましては、供用開始から17年が経過し、施設の老朽化が進行しているため、平成27年度から4年間の集中的な工事を予定しています。総額17億円強にもなる当該工事の2年目として、本年度は6億円規模の保全工事を実施し、施設の延命化を図り、将来的にも安定した運転を継続してまいります。
し尿処理施設の整備につきましては、市民生活に欠くことのできない施設であり、1日でも早く安定的な処理を実現したいと考えております。そのため、湯河原町、真鶴町と情報を共有し、最善の方法を見出してまいります。
市民協働につきましては、NPO・ボランティア団体の活動支援や、環境問題、消費者問題、男女共同参画などの課題に取り組む団体と連携を深めてまいります。また、多様化する消費者被害を防止・救済するため、消費生活センターの設置を検討してまいります。
町内会防犯灯につきましては、引き続きLED化を推進するとともに、計画が終了する平成31年度以降の防犯灯電気料補助金のあり方について、町内会とともに検討してまいります。
防災・危機管理につきましては、巨大地震等による津波の発生に備え、市民や観光客等の人命を守るために迅速かつ適切な避難行動の実施、並びに市民や各団体等の津波対策に資することを目的として、津波避難計画を策定いたします。また、県内唯一の離島である初島地区に対して、巨大地震等による津波の被害想定が見直されたことから、拠点防災倉庫を高台へ新設いたします。

(3) 観光経済部門

次に、観光経済部門についてです。
観光振興につきましては、観光ブランドプロモーション事業と連携させて、閑散期となる春季・秋季の誘客対策のため、Webを活用した広告事業を実施してまいります。
また、伊豆地域の広域観光振興の一助とするため「美しい伊豆創造センター」を中心に作成する、伊豆半島PR映像等を利用するなど、創造センターと連携し観光交流客等の増大を図ってまいります。
産業振興につきましては、「熱海市チャレンジ応援センター(A-biz)」事業により、引き続き事業者の経営支援を行うとともに、まちへの展開を強化してまいります。また、地域の安全・安心に貢献する商店街の街路灯LED化や防犯カメラの設置に対し支援してまいります。
農林水産振興につきましては、農地等への有害鳥獣の出没に対し、迅速に対応出来る体制を整え、市民への被害防止に努めるとともに、地域ごとに、住民に向けた被害防止対策の講演会を開催してまいります。
初島漁港交流広場整備事業につきましては、平成30年度中の完成を目指し、本年度も引き続き施設整備工事に取り組んでまいります。

(4) 建設部門

次に、建設部門についてです。
平成27年度から29年度までの3年間の計画で進めております都市計画マスタープランの改定につきましては、本市を取り巻く社会・経済情勢の変化を踏まえて、現行計画の評価・検証など、引き続き改定に向けての取り組みを継続してまいります。
網代駅バリアフリー化につきましては、高齢者や障がい者など、だれもが安全で安心して移動・利用できる環境整備として、平成28年度中のエレベーター設置をJR東日本とともに進めてまいります。
市営住宅につきましては、多様な世帯がともに暮らし、安心して子どもたちを育てられる住宅づくりのため、引き続き、若年世代のニーズに合ったリフォームを行う市営住宅・子育て世代入居促進モデル事業を行ってまいります。
また、施設の老朽化と入居者の高齢化が著しい市営住宅におきましては、今後の市営住宅の役割を整理し、良好な維持管理活動を実現するため、長寿命化計画の更新を行ってまいります。
適切な管理が行われていない空き家等により防災、衛生、景観等の問題が発生している中、安心して住み続けられるまちの実現と老朽危険家屋に対する地域の安全性を確保するため、市内の空き家の実態調査を行い、空き家の実数やその内容を把握してまいります。
耐震化の促進につきましては、国や県をはじめ、関係団体等との連携による啓発活動など、積極的に各種施策の展開を図り、建築物の耐震化を効果的に推進してまいります。
道路、橋梁などにつきましては、定期的な見回り点検を実施しながら、市単独の道路維持修繕工事費を増額して補修を行なうほか、国庫補助を受け、道路の舗装路面や擁壁、道路照明等の補修工事、また橋梁の長寿命化や耐震化工事などを計画的に行ってまいります。
次に、公園につきましては、将来の人口減少や市税の減少も予想される中、選択と集中、管理の合理化が必要となっています。既存の公園施設長寿命化計画に合わせ、公園再整備計画を策定することを通じ、住民ニーズに即した満足度の向上、癒しの空間となる公園づくりを進めてまいります。
また、梅園につきましては、園内の五橋の老朽化に伴い、利用者が安全に利用できるよう継続的に改修を進めてまいります。
庁舎前花広場につきましては、中央町駐車場の供用開始に伴い多くの利用者が立ち寄ることが想定されます。市庁舎の玄関口ともなる貴重なスペースとして、植栽を含めた新たな整備を図ってまいります。

(5) 健康・福祉部門

次に健康・福祉部門についてです。
高齢者介護につきましては、地域包括ケアシステムの構築に向けて、介護サービス提供事業者や地域包括支援センターとの協議を重ねながら「介護予防・日常生活支援総合事業」を創設するとともに、医療機関や介護事業者との協調のもと「在宅医療・介護連携推進事業」を引き続き展開し、医療者と介護サービス従事者間における連携基盤を築いてまいります。
また、平成27度から施行されている生活困窮者自立支援法につきましては、平成28年度は、生活に困窮している相談者に対し、家計の支出について見直し等を助言する家計相談支援事業と、失業など何らかの理由で住む場所を失った方々への支援として一時生活支援事業を開始し、生活困窮者への支援をさらに充実させてまいります。

(6) 公営企業部門

次に、公営企業部門についてです。
公営企業三会計につきましては、ライフラインを担う事業として、適正かつ効率的な経営に努め、市民生活に寄与してまいります。
水道事業につきましては、来宮配水池築造工事をはじめとする老朽化の著しい施設の更新工事を行なうとともに、引き続き有収率向上のための流量計設置工事を進めてまいります。また、県営駿豆水道につきましては、三島市、函南町とともに、二市一町の歩調を合わせながら、県企業局に対し、現行の料金見直しについて協議を進めてまいります。
下水道事業につきましては、長寿命化計画に基づき老朽化した管路の更新を進めるとともに、浄水管理センターの2期目となる長寿命化計画を策定し、適切な維持管理を行ってまいります。また、普及促進事業を推進し、面整備済区域内の接続率、普及率の向上、公衆衛生の向上、そして公共用水域の保全に努めてまいります。
温泉事業につきましては、所有源泉施設の整備や、貯湯槽及び送配湯管等の老朽化した設備の改築更新を進めてまいります。また、温泉料金につきましては、給湯件数は減少しているものの、来遊客数の増加に伴い営業用の料金収入が伸びていることから、平成28年度の料金改定は見送ることといたしました。

(7) 消防部門

次に、消防部門についてです。
新時代の消防体制に対応した、「高機能消防指令システム」と「消防救急デジタル無線」の整備が完了し、消防救急活動の迅速、かつ、効率的な部隊運用が確立されました。今後も、この施設・設備を最大限に活用するため、保守・整備に努めてまいります。
消防力の要は人材であり、インターンシップやリクルート活動などを通じて優秀な人材の確保に努めるとともに、外部派遣研修を含めた研修を積極的に行い、引き続き世代交代に伴う人材育成に努めてまいります。
火災予防対策につきましては、高齢者の安全確保を重点目標として、住宅用火災警報器の設置率の向上を図るとともに、防火対象物への予防査察を強化し、火災の未然防止に努めてまいります。
救急体制につきましては、人口10万人都市に匹敵する救急需要に対し、救急救命士の育成に努め、メディカルコントロール協議会との連携のもと、救急業務の高度化推進へ、引き続き取り組んでまいります。
消防団第9分団詰所の移転につきましては、初島の新たな消防防災拠点として、整備を進めてまいります。
今後とも、地域防災の要である消防団との連携強化を図り、常備、非常備消防が一体となり、地域の安全・安心の確保に努めてまいります。

(8) 教育・文化部門

次に教育・文化部門についてです。
未来をひらく人づくりを推進するために「熱海市教育振興基本計画」に基づく諸施策を展開し、次代を担う子どもたちが郷土を愛し誇りを持ち、たくましく心豊かに成長する教育を推進するとともに、家庭・地域・学校がそれぞれの役割を果たし、生き生きとした生涯学習社会の確立を目指してまいります。
学校教育につきましては、教員の多忙化解消、いじめ問題への対応、土曜日の学習支援事業の拡充、保育士・幼稚園教諭の臨時職員確保などに取り組み、全ての学校において教育力向上と生きる力を育む人材育成に取り組みながら、将来を担う子どもたちの「人づくり」を実践してまいります。
社会教育につきましては、多様な市民ニーズに応じた学習の場や機会を提供することで、市民の生涯学習の振興を図ってまいります。
また、個性豊かな熱海の歴史、文化を形成する重要な資産である文化財や伝統文化・芸能を次世代に継承していく施策を展開しながら、地域における文化財の保存・活用を推進してまいります。
江戸城石垣石丁場(中張窪石丁場)につきましては、新たに国史跡として指定される見込みであることを踏まえ、平成28年度においては、標識等の設置に加え、史跡指定記念シンポジウムの開催や保存管理に向けた計画書の素案作成などを行ってまいります。
いきいきプラザにつきましては、平成5年に開設して22年が経過し、外壁塗装剤の劣化が見られることから、安全対策として外壁の改修に取り組んでまいります。
図書館につきましては、新図書館構想の理念を踏まえ、多様化、高度化する市民の知的要求に的確に応える図書館サービスの実現に取り組むとともに、(仮称)熱海フォーラムの中心的な施設の一つである新たな図書館の整備に向けた検討、準備に取り組んでまいります。
また、市制施行80周年記念事業として、平成29年度の温泉誌発行に向け、執筆および編集作業を継続してまいります。

4.むすびに

冒頭に申し上げたとおり、市民、産業界、議会、そして行政がそれぞれ役割と責任を持ちながら、市の運営に参画し、協働していくこと、そして「市民の皆様との対話」に力を尽くしていくことが、「日本でナンバー1の温泉観光地づくり」、「住まうまち熱海づくり」の実現、ひいては「新生熱海」の実現に不可欠であると考えております。
議員各位、並びに市民の皆様におかれましては、特段のご理解とご協力をいただきますようお願い申し上げ、私の施政方針といたします。

平成28年2月26日

熱海市長  齊 藤  栄

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