【肉眼心眼】起雲閣に響く弦楽の音色、クラシックコンサートが好評

熱海市指定有形文化財「起雲閣」(中島美江館長)の好調が続いている。昨年は「花子とアン」効果もあって過去最高の10万2565人の有料入場者(前年比8%増)が訪れた。年が明けても堅調。12月31日から1月4日にも2377人、1日平均475人が来館した。1月18日、起雲閣音楽サロンで「湘南ゾリステン・ニューイヤーコンサート」と題したクラシックコンサートが開催され、どんなものかとのぞいてみた。午後2時開場と共に市内はもとより、東京、鎌倉、小田原、近隣市町からクラシック愛好家がつめかけ、80席用意した座席はすぐに満席となった。

ソプラノの青木エマさん、バイオリンの河野由里恵さん、チェロの浦井勝美さん、ピアノの青木雅也さん、クラリネットの井上弦さんが出演し、ウエーバーの「舞踏へのお誘い」、モーツァルトの「フィガロの結婚」、ブラームスの「ピアノ四重奏曲」、プッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」などを演奏した。
「湘南に住むソリストたち」が奏でる室内楽は心地よかったが、起雲閣の素晴らしさにもあらためて気付かされた。大正時代は「熱海の三大別荘」と称賛され、名だたる政財界人が論議を交わした名邸。旅館として生まれ変わった昭和には山本有三、滋賀直哉、谷崎潤一郎、太宰治、船橋聖一、武田泰淳などの文豪に愛され、優美な気品を醸し出す。
熱海には鎌倉の長谷寺、建長寺や京都の上加茂神社のような歴史的遺産でのクラシックコンサートはないが、弦楽曲を体感するにはこれ以上ない名邸がある。大きさもちょうどいい。

2月8日には弦楽アンサンブル団体「アンサンブル凜(りん)」の熱海公演が開かれる。凛は、1998年に発足した文教女子大学管弦楽団を母体とする弦楽合奏団でベートーベンの後期弦楽四重奏シリーズを中心にドイツ古典派、ロマン派(チャイコフスキー、レスピーギなどをレパートリーに活動している。今回は増田光一さんの指揮でベートーベンの晩年の最高傑作「弦楽四重奏曲第13番変ロ長調 大フーガ付き」やバッハの「ブランデンブルク協奏曲第3番」などを演奏するという。

熱海公演は11年3月、13年2月に続いて3回目。11年3月20日のコンサートは「東日本大震災」の直後とあって自粛中止が予想された。しかし、熱海市民の熱意でチャリティコンサートとして開催。入場料は全額東日本大震災の義捐金として寄付された。その様子は各マスコミで紹介され、「アンサンブル凛」の名を高めた。弦楽アンサンブルが奏でる重厚で美しい旋律は起雲閣によく似合う。
(主幹・松本洋二)

 

アンサンブル凛は2月8日に起雲閣で開催する演奏会の招待券を10組20人にプレゼントする。希望者は名前、住所、電話番号、希望枚数などを下記へ。
◇凛事務局 携帯090(7242)8284、または〈ファクス049(259)6403〉へ。

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湘南ゾリステン・ニューイヤーコンサート

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アンサンブル凛

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