「お宮の松」がある熱海市東海岸町の「貫一・お宮の像」の前で17日、「尾崎紅葉祭」(熱海市主催)のハイライトとなる熱海芸妓による寸劇が行われた。
小説「金色夜叉」でおなじみの「熱海の海岸…散歩して…」の小唄が流れる中、貫一が失恋の怒りからお宮を下駄で蹴り飛ばし、お宮が「涙で今月今夜の月を曇らせる」とほおを濡らす「熱海海岸の場面」を再現した。およそ150人の観衆が見守る中、47回目の今年は貫一役を京馬さん、お宮役を静(しずか)さんが演じた。
熱海芸妓による貫一・お宮の寸劇は昭和30年代から演じられるようになり、尾崎紅葉祭の名を全国に高めるとともに毎年市民や観光客を楽しませてきた。同祭は小説で泣き別れの場面として登場する1月17日に開かれる。
式典では三田光行教育長、杉山利勝副議長、中島幹雄熱海市観光協会会長に続いて、紅葉のひ孫の景山孝夫さんが挨拶。関係者が献花した。貫一、お宮との記念撮影も行われ、観光客らが記念写真を楽しんだ。
◆掲載から120年 金色夜叉は明治30年1月1日から同35年5月11日まで読売新聞に連載され、熱海の名を全国に知らしめた。掲載から平成28年で120年。
◆今年で74回目 尾崎紅葉祭は昭和14年1月17日が第1回(熱海文芸懇談会主催)。翌年から熱海市主催に代わり、今年が74回目(戦時中の昭和17~20年は中止)
◆ともに3回目 寛一役の京馬さん、お宮役の静さんはともに通算3回目の大役。2人のコンビは初。
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