お盆に迎えた精霊を送る「百八体かがり火」(多賀観光協会主催)が16日午後8時から、熱海市の多賀海岸で営まれた。瀧川佳宏さんの太鼓の合図で長浜ビーチから小山臨海公園がある中野までの約3000メートルに270基のかがり火が一斉にたかれ、盆に迎えた先祖の霊を送り、無病息災を祈った。
南熱海多賀地区は古くからみかんやだいだいの産地として知られ、夏になるとみかん畑の害虫駆除のため、海岸で大規模なたき火を実施。誘い出した害虫をまとめて除去したという。そんな農業行事も昭和に入り姿を消したが、昭和30年代にお盆の送り火「百八体かがり火」という大掛かりな行事として復活。年々評判を呼び、多賀地区最大の観光イベントに成長した。当初は文字通り108基で始めたが、今では270基まで増え、住民が総出で火をともした。京都の「大文字」のような大規模な送り火はあるが、「一文字」では多賀の送り火は日本最大級という。
海を見下ろす国道135号の歩道や砂浜では市民や観光客が集まり、夏の夜空を焦がす壮大な270基の炎をスマホのカメラに収めるなどして、郷愁を誘う幻想的な光景を楽しんだ。
【かがり火動画】…IMG_0280
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