選挙戦2日目を迎えた20日、新人の女性候補は市内で最も往来が激しい清水橋バス停前で昼立ちを試みた。
選対幹部から聞いたエピソードが心に響いた。斉藤栄市長が62票差で初当選した8年半前の市長選。地縁のなかった市長候補は選挙運動用自動車をウグイス嬢に任せ、この場所に立って握手を交わしたり、一緒に写真に収まったりして支持を広げた、という。その姿がだぶって見えたのだろう。
ところが、大事なことを忘れていた。次々と握手や挨拶を交わしたものの、名前が書かれたタスキを持参するのを忘れ、相手はキョトン。それでも近くに選挙ポスターの掲示板があり、「16番、あれ、私です」とちゃっかり売り込んだ。
この日は初めて経験する雨中の選挙戦。他陣営の様子も遠巻きにチェック。自身も熱海駅前で雨の中で演説したが、ここは杉山利勝候補のフランチャイズ。思いっきりアウエーの洗礼を受けた。が、そこは新人らしくあいさつ。「この商店街には先輩の議員がおられ、私はその方に教えを請い、できるものであれば共にこの場所を国際観光都市熱海の一番の中心地となるよう、微力ながら努めさせていただきたい」と深々と頭を下げた。
初々しさと女性ならではの繊細さが、徐々にではあるが有権者に浸透してきている。しかし、今回、立候補した16人のうち、熱海市以外の出身者は2人。配偶者も市外出身というのはこの女性候補だけ。新血に期待する声も強いが、苦しい戦いは続く。
(編集主幹・松本洋二)
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