静岡県民の日(21日)を前に、熱海市の観光ボランティア団体「熱海まち歩きガイドの会」(植松信行代表、会員38人)は8月7日、MOA美術館でおもてなしイベント「MOA美術館アートウォーク」を開いた。3回目の今回は東京、横浜、富士市など市内外から13人が参加。通常は一般公開していない「光琳屋敷」を特別の許可を得て案内し、特別展示されている国宝「紅白梅図屏風」や開催中の特別展「井上涼 夏休み!BYOBUびじゅチュ館」を観覧した。
昨年まち歩きガイド養成講座(熱海市主催)を受講し、今年からまち歩きガイドに加わった熱海芸妓の踊りの師匠・花柳あらたさんも案内に加わり、まち歩きガイドデビューを果たした。花柳さんは5月に熱海サンビーチの特設舞台で開催された「熱海の森羅万象に捧ぐ月の道 薪能」(MOA美術館主催)でも常磐津「東都獅子」を披露するなど、多方面で熱海の観光PRに尽力している。
同屋敷は、尾形光琳がその最晩年、自らが書いた図面に基づき京都に建てた屋敷で、MOA美術館が史料に従って復元した歴史的価値のある建築物。屋敷内は同美術館の上榁(かみむろ)雅仁営業部経営企画課長が案内し、光琳のこだわりや間取り図、この屋敷で晩年の最高傑作、国宝「紅白梅屏風図」を描いたエピソードなどを披露。参加者は熱心に聞き入った。
■尾形光琳(1658-1716年) 江戸時代中期を代表する画家。「琳派」と呼ばれる装飾的大画面を得意とした画派を生み出した。主に京都の富裕な町衆を顧客とし、王朝時代の古典を学びつつ、明快で装飾的な作品を残した。
館内の見学前には同館能楽堂で歓迎セレモニーがあり、藤曲敬宏県議が明治9年、当時の静岡県と浜松県が合併して今の静岡県になったのを記念する「県民の日」(8月21日)について、同美術館広報の泉山茂生さんMOA美術館の概要を説明し、参加者をもてなした。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
■まち歩きガイド養成講座 熱海市が市の魅力を内外にPRするガイド養成目的に2008年10月に開設。毎年は7月から11月まで8回にわたって開講し、熱海の温泉、歴史、観光資源、伊豆半島ジオパーク、旅行商品の造成、まち歩きガイド体験などを学習。修了者で志望する人は「熱海まち歩きガイドの会」の会員として観光イベントに参加する。
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