撤退も選択肢の一つ、県議会で「駿豆水道事業」見直し迫る/藤曲敬宏県議


熱海市選出の藤曲敬宏県議(自民党改革会議)は2月20日、静岡県議会2月定例会で一般質問を行い、熱海市の財政を大きく圧迫させ、市民に多大な負担をもたらす原因となっている「駿豆(すんず)水道事業(柿田川湧水の県水)」を取り上げ、「選択肢の一つとして、駿豆水道事業からの撤退を真剣に検討せざるを得ない時期に来ている。この問題は少子高齢化が招く問題で、今後県内各地で同様な問題が生じる可能性がある」と川勝平太知事に見直しを迫った。

熱海市は、ホテル旅館の黄金期だった昭和40年代前半、観光地としてピークを迎え、水不足で断水が続いた。そこで熱海市が主導して三島市・函南町に働きかけ、柿田川湧水(三島市)を水源とする県水を両市町とともに供給を受けたのが駿豆水道事業。昭和50年(1975年)に始まり、熱海市の責任水量は1日6万立方メートル。1立方メートルあたり30円で毎日180万円を県に支払っている。
しかし、供給開始から40年以上が過ぎ、人口および宿泊施設の減少や節水志向などが進み、当時と水事情は異なってきている。にもかかわらず、このままなら契約は延々平成44年(2032年)まで続く。

「平成29年度の熱海市の1日の平均受水量は1万131立方メートル。契約水量の17%程度の利用にとどまっている。熱海市の水道事業における収益的支出約17億円の約半分にあたる8億余円が駿豆水道に対する支出」と実情を訴え、「もはや広域化を維持する体力さえなくなってきており、仮りに近い将来、熱海市が駿豆水道事業からの撤退を決断し、2市1町の枠組である三島市・函南町との合意形成ができたなら、県は、施設更新計画の見直しや新しい駿豆水道の枠組を含めた協議の席に着けるか」と質した。
これに対し、梅藤久人公営局長は「駿豆水道は、全ての費用を料金収入でまかなっている。まずは2市1町で構成する県営駿豆水道利用者協議会で費用負担のあり方について合意を得る必要がある。そこで新たな枠組みの合意が得られるのであれば、今後の駿豆水道の施設更新計画の見直しも協議していく」と述べた。
「次の更新時期は2032年。13年先だが、協議によってはそれより手前になることも可能か」の再質問には、「2市1町で合意が得られれば、2032年には必ずしもこだわらない」と答え、早期の見直しにも含みをもたせた。
この日の一般質問には120人の支援者が熱海市から駆け付け、知事との論戦に聞き入った。
(熱海ネット新聞・松本洋二)


◼︎藤曲敬宏県議のこの日の質問
・防災拠点における非常用電源の機能確保
・東京2020オリンピック・パラリンピックにおける県内都市ボランティアの確保
・静岡県立大学及び静岡文化芸術大学において新年度からスタートする観光教育
・熱海港湾エリア賑わい創出整備計画に基づく今後の取り組み
・成年年齢引き下げに向けた教育の対応
・家庭教育支援条例に基づく家庭教育支援
・2市1町の枠組みにおける駿豆水道の将来像

◼︎駿豆水道への質問(全録)
2市1町の枠組みにおける駿豆水道の将来像について伺います。
熱海市の水道事業会計は人口減少や節水志向などが進み、水需要は年々減少傾向にあります。このことは、2市1町に水道用水を供給している県営駿豆水道も同様で、契約水量一日当たり6万立方メートルに対し、平成29年度の一日の平均受水量は1万131立方メートルであり契約水量の17%程度の利用にとどまっています。しかし2部料金制の為、使用水量とは別に基本料金として契約水量6万トン×30円、1日当たり180万円を負担しなければならず、こうした負担が給水原価を引き上げ、水道事業の財政を大きく圧迫し、市民に多大な負担をもたらす原因となっています。
具体的には、熱海市の水道事業における収益的支出約17億円の約半分にあたる8億余円が駿豆水道に対する支出となっています。


更に全国で17番目に早い明治42年に給水を開始した熱海の場合、昭和30年代から40年代にかけて拡張工事を行った施設管路の更新時期が重なり、老朽施設の更新費用に対する財源として29年度末で約46億円の企業債残高ですが、財政計画上では2031年度末には約94億2000万円にまで増加する見込みで、将来の熱海市民に対する大きな重荷となることが予想されます。

昭和40年代前半に、熱海が観光地としてピークを迎え、水不足で断水が続き、熱海が主導して三島市・函南町に働きかけて始まった駿豆水道事業も供給開始から既に40年以上が過ぎ、当時の水事情とは人口も観光客数も大きく変わっているのが実情であります。さらに、柿田川の八幡取水場から熱海調整池までは約21㎞も離れ、3か所のポンプ中継をはさんで熱海まで届けている現状において、管路の破損による断水のリスクを鑑みると地震や豪雨被害などの自然災害の多発する近年の異常気象の中で、リスク分散という意味では、市内各地の自己水源に対する設備投資も市民生活において最も重要なライフラインである水道事業を維持する上で選択肢の一つであると言えます。
現在熱海市議会及び担当部局の共通した課題として、県営駿豆水道の全面的な施設更新基準年度を2032年度に控え、継続から撤退までを選択肢として検討している次第です。そこでお伺いします。
仮に近い将来、熱海市が駿豆水道事業からの撤退を決断し、2市1町の枠組である三島市・函南町との合意形成ができたなら、県企業局としては、その意思を尊重し、施設更新計画の見直しや新しい駿豆水道の枠組を含める協議の席について頂けるのか、企業局長の所見をお伺いいたします。
(藤曲敬宏県議)






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