来宮神社のご神木「大楠」そばの高台にある「大楠・五色の杜」で5月5日、大楠祭が齋行され、長寿や熱海市の繁栄を願った。雨宮盛克宮司が祝詞を奏上し、巫女(みこ)が早神楽に続いて「大楠の舞」を奉納。神社役員や責任当番町・咲見町の岸秀明祭典委員長、令和元年の御鳳輦奉仕を行う来宮結葉桃一會(きのみやむすびばとういつかい)戸塚雄史郎会長らが玉串を捧げた。
大楠の舞は、歌人佐佐木信綱が詠んだ「来宮は樹齢二千年の大樟のもと御国の栄え祈りまつらむ」という歌にちなん30年ほど前につくられた。十二単(ひとえ)に身を包んだ巫女が生田流筝曲宮城会・山形社中が奏でる琴と歌、笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)に合わせて優雅に舞った。この舞は、大楠が新葉を付け、もっとも生命力に満ちあふれる5月5日にだけ捧げられる。
JR来宮神社駅から同神社へ向かう通路には人の渋滞ができるほど混雑。本殿や国指定天然記念物の大楠には参拝者が長い列を作り、正月思わせるような賑わいが続いた。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
■雨宮盛克宮司の話
先月、元フジテレビアナウンサーの河野景子さん(元横綱貴乃花前夫人)が取材でいらした際に「このご神木の大楠が樹齢2100年を迎えられたのは、大楠自身の強い生命力もあるが、周りの木々たちがこの楠を守るため、強い雨風を防ぎ続けてくれたおかげ。周りのアシストがあったからこそ本州で1位、国内で2番目の巨樹になった」という話をさせて頂いた。その際、河野さんは「この社会と一緒で、本人も一生懸命頑張り、周りの助けがあってこそ成功が成し得れるのですね」と涙ぐんでおられた。
令和となり、大化(645年)から数えて248番目の元号となるが、このご神木はその全ての時代を見守ってきた。令和の時代もしっかりと見守っていただき、後世に残すように護持運営に努めていく。
■来宮神社の大楠 高さ26m、幹回り23・9m。全国2位、本州1位の巨木。大楠の回りを1周すると寿命が1年伸び、誰にも告げず1回りすれば、願い事がかなうと言われている。樹齢2100年超で国の天然記念物。
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