熱海国際映画祭 実行委員会が開催 市長は一転して断念 作品集まらず

熱海市の齋藤栄市長は6月4日午後3時から、市役所で記者会見し、市の単独事業で来月28日から開催するとしていた第2回熱海国際映画祭について、「インターナショナルコンペティション部門の上映作品の確保ができず、苦渋の選択だが、熱海市が中心となった映画祭の開催を断念せざる得ないと判断した」と語り、市単独での開催断念を発表した。

作品を保有する実行委員会(髪林孝司代表、フォーカス代表取締役)が予定通り、同映画祭を開催するが、市は「今後、関与しない」方針を明らかにした。同実行委員会へ支出した500万円の市の補助金については返還を求め、国に申請していた文化庁の文化芸術創造拠点形成事業補助金1250万円についても申請を取り下げる。

市長は5月29日の会見で同部門の最終ノミネート作品(約40作品)の連絡先に個別にアクセスし、あらためて出品を依頼。市が中心になって開催するとしていたが、映画祭には「他の映画祭に応募していない作品」というプレミア規定があり、市が主催する新たな映画祭は規定に抵触する可能性があることから、作品が集まらなかった。市長の弁護士とも相談し、6月3日に断念を決めたという。
この間、東京地裁にフォーカス社の業務執行停止の差し止め、作品の引き渡しを求める法的対処も模索したが、開催まで1カ月を切り、時間がさし迫っていること。映画祭の目的が「新しい映画人の才能を発見」にあり、84の国と地域から1200本以上の応募があったことなどから、継続開催を優先させた。負債問題は司法の場で解決していくという。
市独自の開催を発表した27日、29日の会見から1週間で一転して撤回したことには「市民の皆様におわび申し上げる」と謝罪し、自身の責任には「重く受け止めている。しかるべきタイミングで私を含め組織として一定のけじめをつける」と話した。
来年の第3回熱海国際映画祭については「やるともやらないとも言えない、白紙」とした上で「実施するにしてもどういう体制でやっていくか考える必要がある。今回を教訓に吟味する」と明言を避けた。
(熱海ネット新聞・松本洋二)

熱海国際映画祭 熱海市VS髪林氏
■2017年12月4日 熱海市が東京・千代田区の日本記者クラブで記者会見を開き、「熱海国際映画祭」の初開催と概要を発表。齋藤栄市長と髪林孝司氏(フォーカス代表取締役)が説明。
■2018年6月 第1回熱海国際映画祭開催。6月28日~7月1日
■9月26日 市役所で第1回熱海国際映画祭の報告会見。実行委員会代表の髪林孝司業務執行役員が、4日間の来場者は5160人で目標の約半分。収入はチケットの売り上げ金536万円など3459万円、支出は3520万円。赤字額61万円はフォース社が負担すると説明。齋藤栄市長は、事務局機能などの強化を条件に2019年も継続開催すると表明。
■2019年3月11日 齋藤栄市長が市議会に第2回熱海国際映画祭を6月28日~7月1日に開催すると報告。補助金500万円を計上。
■5月10日 前年9月の収支報告で61万円としてきた赤字額が、1465万円あることが発覚。未払金(14社)はルー監督へのグランプリ賞金100万円など896万円。
■5月15日 熱海市と実行委員会代表の髪林氏が「第1回映画祭、第2回映画祭の債務、紛争、責任はフォーカス社が全て対処し、負担する」「熱海市は第1回映画祭、第2回映画祭とも負担金の500万円以外には支払わない」確認書に署名押印。
■5月20日 齋藤栄市長と髪林氏が市役所で共同会見。未払い等の負債問題の実情と返済計画を説明し、第2回は予定通り、開催することを表明。
■5月22日 齋藤栄市長、市長の弁護士、髪林氏の3者会談。映画祭のダウンサイジング案に髪林氏が反発。5月15日の確認書に反して熱海市に660万円を要求。「支払わなければ、コンペティション作品は上映せず、第2回熱海国際映画祭を運営しない」と通告。
■5月24日 熱海市は髪林氏への660万円支払い要求を拒絶し、実行委員会代表で業務執行役員解任を通告。「運営しないならコンペティション作品を熱海市に引き渡すよう」請求。
■5月25日 齋藤栄市長は、第2回熱海国際映画祭のコンペティション担当のマイク・ロジャース氏(映画プロデューサー)と協議。引き続き業務を継続することと上映作品リストおよび媒体を市に引き渡すことで合意。
■5月27日 齋藤栄市長が市役所で記者会見し、髪林氏の解任を発表。15日の確認書を反故にして660万円の支払いを求める恐喝行為があったことを公表。合わせて映画祭の上映作品入手を背景に、第2回熱海国際映画祭は市独自の事業で開催すると発表。髪林氏も熱海ニューフジヤホテルで会見し、解任無効、コンペ作品引き渡し拒否を表明。第2回熱海国際映画祭を実行委員会主催で開催を明言。
■5月27日 市長会見後、マイク・ロジャース氏が態度を翻し、熱海市へのコンペティション上映予定作品の引き渡しを拒絶。
■5月29日 齋藤栄市長が市役所で記者会見。市が映画祭で上映予定の審査通過作品40本を持っていないことを明かし、その上で第2回熱海国際映画祭開催に向け、準備工程表を披露。髪林氏も記者会見。あらためて市と同じ日程で映画祭開催を表明。対決色を強める。
■5月31日  森本要副市長が都内で髪林氏と会談、和解を模索。髪林氏が文化庁などの補助金手続き協力を条件に「市との共催、齋藤栄実行委員長の下で希望縮小開催」などを提案。距離が近ずく。
■6月3日  市長が和解案を拒否。弁護士がマイク・ロジャース氏に上映予定作品の引き渡しを再度要望したが、不発に終わり、市単独の映画祭開催も断念。
■6月4日  市長が市の開催断念会見。実行委員会による開催には関与せず、市の補助金500万円の返還要求。髪林氏が「予定通りの開催」を発表。

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