温泉都市議長協議会 新会長に熱海市議会の竹部隆氏 全国105市加盟

全国温泉所在都市議会議長協議会の令和元年度総会が6月10日、東京・千代田区の砂防会館で開かれ、新たに加盟した下関市(山口県)を含め全国105市の議長・副議長など163人が出席。役員更新で新会長に竹部隆氏(熱海市議会議長)を選出した。任期は2年。
総会では、今年度の運動方針や温泉に関係する共通の課題について協議し、役員会でまとめた11項目の国への要望を承認した。総会後、竹部氏らの役員が各省庁と国会に提出した。
会長は入湯税収入が日本で一番多い熱海市議会議長が歴代務めている。総会に先立ち、9日にはホテル・ニューアカオで正副会長・監事会を開き、総会の議案などを協議した。
(熱海ネット新聞)
■竹部隆会長 世界屈指の温泉国である日本において「温泉」は観光の核。令和2年までに訪日外国人旅行者数4000万人を目指す上で、その活用は欠かすことができない。温泉都市は地震、火災噴火、台風、集中豪雨など特有の課題も抱えており、税財源をはじめとする諸制度の充実と施策の実現を要望した。
■105市の入湯税収入トップ5と市の人口
①熱海市=4億4617万円(3・67万人)
②日光市=3億8883万円(8・23万人)
③伊東市=3億6132万円(6・90万人)
④別府市=3億2435万円(11・4万人)
⑤加賀市=2億3416万円(6・65万人)


■加盟温泉都市と役員…

要望書
1.昨今頻発している地震、火山噴火、大型台風、集中豪雨などに伴う自然災害や、東日本大震災に伴う原子力災害などの大規模災害に関して、被災地域の早期復旧と被災者の一日も早い生活再建に向けた迅速かつ万全の支援を行うとともに、国内外に対する正確な情報発信、旅行者の自粛ムードを払拭するためのPR活動を積極的に行うなど、経済活動と観光の活性化に取り組まれたい。
2.ホテル・旅館等の建築物の耐震化を迅速かつ円滑に推進するため、地方公共団体や当該建築物の所有者の実情等を十分踏まえ、引き続き、金融支援の充実等必要な財政支援の一層の強化を図られたい。
3.温泉地における景観保全等の観点から、廃業したホテルや旅館等の建築物について、 空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく行政代執行を行う場合、多額の費用が 必要となり、除却に踏み切れずにいる自治体も多いことから、建物所有者からの徴収 が困難となった費用に対して財政支援を行われたい。
4.火山噴火による被害を最小限とするため、監視・観測体制や避難方策等の充実強化を図るなど火山防災対策を推進されたい。
5.水質汚濁防止法に基づく温泉に係るほう素、ふっ素等の暫定排水基準については、 適用期限が令和4年6月末まで延長される予定であるが、安定的な排水処理等の技術 開発、装置の低廉化などが図られるまで、その適用期限を延長するとともに、旅館業 の排水処理装置の設置促進に向けた財政支援を行われたい。
6.入湯税は、環境衛生施設、消防防災施設等の整備、観光振興をはじめ、関連施設の耐震化等入湯客の安全・安心を確保するなど、増大する温泉所在都市特有の行政需要に対応するために不可欠な財源であることから、現行制度を堅持されたい。
7.訪日旅行や国内旅行など観光を核とした地域の再生・活性化のため、温泉所在都市 が有する歴史・文化・食・自然環境等の資源を活かし、雇用の増大や新産業の創出、 観光地づくりの担い手となる人材を確保・育成するための事業など、総合的な施策を 推進するとともに、訪日外国人旅行客をはじめとする旅行者が安心・快適に旅行でき るよう、観光拠点における観光案内所の充実や無料公衆無線LAN環境の整備など受 入体制の強化を図られたい。
8.新たな観光需要の創出に向けて、休み方の改革について検討を進められたい。また、 国民の祝日に関する法律の規定により、祝日が日曜日に当たる場合は振替休日を設け ているが、土曜日に当たる場合にも振替休日を設けることで三連休を確保し、観光需 要の一層の喚起を図られたい。
9.普通交付税における消防費、下水道費、商工行政費、清掃費などの算定に当たっては、例えば入込客数など温泉所在都市の実態を反映するとともに、特別交付税の配分について配慮されたい。
10.国際観光ホテル整備法の規定により、地方税の不均一課税を行った場合における減収については、所要の地方交付税措置を講じられたい。
11.温泉療養を目的とした観光は、日本国内のみならず海外からの観光客の需要も増大しており、医療観光の促進に向けて、温泉療養の有効性についての科学的な実証や温泉医等の育成・確保など、環境整備を図られたい。

令和元年6月10日
全国温泉所在都市議会議長協議会
会長 熱海市議会議長 竹 部 隆

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ピックアップ記事

  1. 2023-8-23

    熱海海上花火大会に1万2千人、手荷物預かり場に長い列

    熱海海上花火大会の夏季シリーズ第5弾が8月22日夜、熱海湾であり、1万2千人(主催者発表)が…
  2. 2023-8-21

    被災地を照らす大輪の花火 伊豆山港で海上花火大会

    熱海市の伊豆山港で8月20日、伊豆山温泉海上花火大会が開催された。午後8時20分から35分ま…
  3. 2023-8-17

    お盆の夜焦がす網代温泉海上花火大会 去り行く夏惜しむ

    熱海市の網代湾で8月16日午後8時30分から、網代温泉海上花火大会(同温泉観光協会主催)が開…
  4. 2023-8-17

    熱海市で「百八体流灯祭•送り火」長浜海岸に110基のかがり火

    熱海市のお盆の伝統行事「百八体流灯祭」(多賀観光協会主催)が8月16日夜、多賀地区の長浜海岸…
ページ上部へ戻る