熱海市の観光名所で知られる渚親水公園前のジャカランダ遊歩道で初夏の花ジャカランダがまた咲き出し、9月7日に96歳で死去した大塚実氏(大塚商会名誉会長)への感謝への思いを伝えている。
ジャカランダは例年、5月末から開花し、6月末に散ってしまう。それがどうしたことか、一度は散った花たちが大塚氏の訃報を聞いて(?)、青紫の可憐な花をまた咲かせ始めた。
大塚氏によるジャカランダ植栽寄贈の申し出は東日本大震災があった2011年の8月(震災は3月)。12年8月からまず46本を植栽、13年6月に完成した。第2期工事は13年7月にスタート。100本を植え込み、14年6月6日に完成式典を迎えた。
式典には、ジョゼ・デ・フレイタス・フェラース駐日ポルトガル大使、齋藤栄市長、熱海在住の脚本家橋田壽賀子さんら市の観光、経済関係者50人が参列し、完成を祝った。
テープカットの挨拶で大塚氏は「齋藤さんが市長になって以来、熱海市が夕張市になってはいけないとの思いから、花造りを7年かけて支援させてもらったが、私ももう92歳。これをもって目的達成とし、終止符を打たせてもらう」と語っていた。もう、大丈夫と得心したのだろう、
「早咲きの梅」(2007年11月〜2009年12月、糸川遊歩道の「あたみ桜」(2009年5月〜2011年12月)に続いて「ジャカラランダ」を整備。これで巨額の私財を投じ、花を通した熱海市復活に尽力した「市花3部作」が完了した。2011年には246万人まで減少した年間宿泊客数も2015年から4年連続で300万人超え。
観賞に訪れる人も増え、花たちも熱海の大恩人に感謝ー。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
■ジャカランダ 世界三大花木(カエンボク、ホウオウボク、ジャカランダ)の1つ。6月に青色、薄紫色の花を咲かせる南米原産ノウゼンカズラ科の常緑樹。熱海市では1990年にポルトガルのカスカイス市との姉妹都市提携を記念してジャカランダを2本を植樹。篤志家の大塚実大塚商会名誉会長の支援の下、新たな観光プロムナード(遊歩道)を完成させた。
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