観客席500席 図書館併設は断念 熱海市が市民ホール計画案示す 

熱海市は2月28日、市役所で市民ホール「(仮称)熱海フォーラム」整備事業の説明会を開き、計画案の概要を市内の観光経済文化団体らに示した。計画案では、市役所に隣接する熱海岡本ホテル 跡地(上宿町市有地)に2階建て(高さ約15m)の多目的市民ホールを建設。1階を市民の様々な活動を応援する交流センターとし、会議室(3)、多目的ルーム(2)、ギャラリーを設ける。2階は観客席504席(400㎡)のホールと式典に利用できる舞台(200㎡)、リハーサル室(130㎡)、楽屋(2)、スタッフルームなど。計画再開前の2017年まで盛り込んでいた市立図書館の合築は財政上の理由から断念。市役所敷地内の老朽化した庁舎を再整備する際に一体化させる方針。

建築費は、コストの低減を図るため30億円を上限とし、維持管理のランニングコストは毎年5000万円。市の直営ではなく、官民連携(PFI等)による運営を予定。2022年度と23年度の予算に15億円ずつ計上し、着工は22年度。24年度の完成を目指すとしている。

説明会の冒頭、齋藤栄市長は「市民ホールは市民利用を主に考えた。毎年行われている成人式が300〜400人。小学校および中学校の音楽発表会が500人程度。500席あれば、ほぼ賄える」と説明。庁舎内では800人案も検討したが、「控室とかリハーサル室等を備えた質の高いものに整備するには、500席がベスト。1階の市民交流センターでは団体同士の相互交流を図れる。相談機能も付ける」と理解を求めた。

質疑応答では、500席の計画案に「敷地面積を考えれば、理解できる。高さ的にも地域への配慮がうかがえる」と評価する一方で「市民には足りても、他所から人は呼べない。観光客も活用できるように再考を」「地元の旅館ホテルは、全国的な会議を誘致できるコンベンションホールに期待している。宿泊税を財源にもっと大きなホールにできないか」などの要望や懸念が示された。約50人の出席者は、市の計画をそれぞれの所属団体に持ち帰り、協議する。熱海市では、2011年に旧観光会館が老朽化で閉鎖され、9年間市民ホールがない状態が続いている。
(熱海ネット新聞)

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