熱海市民を欺く、医療従事者への無人感謝花火 実は大手企業の販促動画撮影

新型コロナウイルスと最前線で闘う熱海市の医療従事者への感謝と収束への願いを込めて6月21日に熱海湾に打ち上げた無観客花火が、実は、大手飲料メーカーのプロモーション(販売促進)動画撮影が目的だったことが6月25日、分かった。市民を欺(あざむ)く行為と批判的な声が出ている。
企画は同社が全国で花火動画撮影地を検討する中で熱海温泉ホテル旅館協同組合を通して熱海市に申請の相談があった。市はこれまで一企業の商業目的の花火打ち上げを不認可してきたことに加え、新型コロナウイルス感染防止で今年の熱海海上花火大会自体を中止していたことから一度は突っぱねた。
しかし、今月19日に県境を越える移動自粛が全国で解除されたことから、市側の関係者が同社に花火打ち上げの趣旨変更を要請。熱海市内の花火大会を手がける静岡県藤枝市の花火企画製造会社「イケブン」を主催者とし、「観光回復を願う花火」とすることで許可が下りたという。打ち上げ費用は同社が全額負担している。
市はこれらの経緯を伏せ、実施日当日の21日午後6時に同報無線と市民向けメールマガジンで「熱海市は、医療従事者をはじめ、苦境に立ち向かわれている全て市民の皆さまへの感謝を込めてお贈りいたします」と告知し、市民へ「自宅での観賞」を呼びかけた。
花火は、午後8時から約10分間に300発打ち上げ、10号玉(尺玉)4発と5号玉29発、4号玉80発を中心にゆったりと組み立て、恒例のスターマイン4発(大空中ナイアガラ)で締めた。
当日、花火を観覧した齋藤栄市長は「申請はイケブンからあり、新型コロナウイルス感染症の収束と熱海の観光回復を願う打ち上げ花火と聞いている」と話し、飲料メーカーが費用を負担し、商業目的に企画されたことは知らない様子だった。市はサプライズ花火の開催に至った詳しい経緯を調べている。
(熱海ネット新聞)

6月21日の無観客花火(熱海湾)

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