全国でも珍しい泊まれる国の登録文化財 旧井上馨公爵熱海邸 初の一般公開 

熱海市教育委員会は10月22日、文化財所有者の協力で熱海市泉にある国登録有形文化財「旧井上侯爵家熱海別邸」(令和元年9月登録)を一般公開した。幕末から明治にかけて活躍し、外務卿や大蔵大臣を歴任した井上馨(天保6〜大正4年)が明治後期に建てた別邸。和風建築に洋室を内包する欧米文化が融合された木造2階建てで木彫り花鳥欄間のある和室や張り出し窓つきの洋間など格調高い造りになっている。伊藤博文(初代内閣総理大臣)や西園寺公望(元老)などの扁額や近代を代表するジャーナリスト徳富蘇峰の書などが、そこかしこに飾られている。


旧井上馨別邸を象徴する部屋が、六角の応接間。欧化政策を推進して鹿鳴館と帝国ホテル建設に尽力した井上馨ならではの注文建築。館主の牧田健二さんによれば、当時は政界や財界の重要人物を招き、この六角部屋で密談を重ねていたそうで「そんな時代背景を知れば、文明開花当時の特別の時間が楽しめます」。

同館はのちに、桂太郎(日露戦争当時の内閣総理大臣)の三男で井上家の養子となった井上三郎侯爵から昭和11年に早山石油の創業者・早山与三郎に売買され、住まいとして使われた。その後、25メートルの曳家(ひきや)が行われ、平成24年から「湯河原清光園 旧井上馨別邸の宿」として1日2組6名限定で利用されている。昨年、国の登録有形文化財に指定され、全国でも極めて珍しい宿泊施設となった。
この日は、静岡県の「しずおか文化財ウィーク」の一環として宿泊客以外の人にもじっくり鑑賞してもらおうと、同宿の協力を得て熱海市が特別公開した。新型コロナウイルス感染防止のため定員を20人に限定。事前申込制で実施したところ、市内外から46人の応募があり、案内する回数を倍の8回に増やして全員を受け入れた。市は新たな観光文化資源に期待している。
(熱海ネット新聞)
■湯河原清光園 熱海市泉26ー7 0465ー62ー2038
■宿泊料金 1泊2食1万2500円(税込) GoToトラベル利用可

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