「年俸1360万円」で熱海市議会が紛糾 2人目の副市長より市民のコロナ支援

熱海市議会は3月17日、2月定例会最終本会議を開き、2021年度一般会計予算や副市長を2人とする条例改正案など35案件を賛成多数などで原案通り可決、承認して閉会した。予算は成立したが、コロナ禍で税収が落ち込む中で副市長2人制に移行する条例改正を巡って議会は紛糾した。
米山秀夫氏(自民党•公明党•女性の会熱海梁山泊)は「熱海市の財政事情はコロナ禍で大変厳しい。市税は14%、13億7800万円減少しており、市民への施策が軒並み削減されている。その一方で副市長1人に支出する人件費は年1360万円。4年間で退職金(900万円)を含め、6340万円だ。副市長を増やして職員の人件費を増やす余裕があるのなら、市民のコロナ支援に使うべきだ」と反対討論を行なった。人口10万6千人の三島市や6万8千人の伊東市が新年度から2人体制の副市長を1人に減員し、国交相から2人目の副市長を迎え入れようとした4万6千人の伊豆国市で議会が2度にわたって否決した例に示し、「それより人口規模(人口3万6千人)が小さい熱海市で副市長2人は必要ではない」と理由を述べた。
さらに「2人分の副市長の人件費を負担するのは市民。2人に増やしても仕事量は変わらないのだから、1人分の給料でやるべきだという市民の声もある。新しい人が地元から出てくるのならその人に期待をかけたいが、そのために1人は辞めてもらいたい」と述べ、「(施策をスピーディに実行するために2人に増やすとする)市当局に同調しているようでは何のための議員だ。何のための議会だ」と賛同を求めたため、議会は紛糾した。
議会は一旦休会。ただちに議会運営委員会を開き、他会派が「議会の権威に関わる発言」「議会が何もしていないように受け止められる」などとして討論での一部発言(※下線部部分)の取り消しを求めたが、米山氏が「固有名詞は出していない。個人攻撃ではない」と応じなかったため、本会議再開後、山田治雄氏(熱海市民クラブ)と高橋幸雄氏(熱海成風会)の発議で取り消しを求める動議が出され、可決した。効力はない。
採決の副市長定数改正条例改正案の採決では、米山氏と同会派の泉明寺みずほ氏、後藤雄一氏が反対し、賛成多数で承認した。条例改正に伴い、市は2人目の副市長に原稲田達樹消防長の稲田達樹氏を充てる人事案を追加提出した際は、3氏は退席し、賛成多数で同意し、閉会した。


本議会終了後、稲田氏は自民党•公明党•女性の会熱海梁山泊の控え室を訪ね、選任されたあいさつを行い、米山氏は「コロナ禍の財政状態を考えて2人制に反対したが、地元出身の副市長に協力したいという気持ちは会派の全員一緒だ。事務方とのパイプ役を期待している」と応じた。
齋藤栄市長市は、4期目の公約である熱海2030ビジョンの柱として①新しい観光地経営の熱海型DMOと観光財源の構築②熱海版地域包括ケアシステムの仕組みづくりーーを掲げ、コロナ対策と合わせて迅速かつ的確に進めるため、「もう1つエンジンが必要」と判断。司令塔となる副市長を2人に増やしたが、新たなエンジンの使用料は年1360万円。費用対効果が注目される。
(熱海ネット新聞•松本洋二)

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