熱海市相の原町の市村清新技術財団・植物研究園で4月12日、恒例の「春の一般公開」が始まった。絶滅危機2類に指定されているクマガイソウ(熊谷草)やアマギシャクナゲ、シダレモモ(枝垂れ桃)、ミツバツツジなどの花木が見ごろを迎え、毎年この時期を楽しみにしていた人たちが、首都圏や名古屋方面から訪れている。
クマガイソウはラン科の植物で淡いピンクに紫の筋模様が入ったかれんな花。特徴的な花の形状が、源平合戦の武将・熊谷直実(なおざね)が矢を防ぐために背負った母衣(ほろ)に似ていることから名付けられたとされる。心ないマニアの採取で、全国的に自生地が減少し、環境省のレッドリストで絶滅危惧II類に分類されている。
同研究園は大学などの研究拠点のため、通常は非公開だが、新緑と花の咲き誇る春と紅葉が美しい秋の2回、希少な植物を公開している。今春は4月12日(月)〜18日(日)までの6日間、時間は午前9時半〜午後3時半。入場無料。
(熱海ネット新聞)
■植物研究園 リコー三愛グループ創始者の故市村清・ユキエ夫妻の別荘「清恵荘」を改修して1991年(平成3年)に開園。池や庭石などを巧みに配した約1万2千平方メートルの日本庭園。園内には渓流が流れ、400種以上の樹木や草花、苔類等が植物生態系を構成。
■問い合わせ 0557-81-2656(同園)、住所は熱海市相の原町11の8。
■アクセス JR熱海駅「梅園・相の原団地方面」行きのバスで「上相の原」下車。
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