「財源に危機感」温泉所在都市協議会首長がウェブ会議 国への要望まとめる

熱海市など全国104市が加盟する温泉所在都市協議会(会長・斉藤栄熱海市長)は6月10日、ウェブ会議の形式で総会を開き、新型コロナウイルス感染症の蔓延により温泉所在都市が直面する課題に対し、国に求める要望を取りまとめた。105市が加盟する全国温泉所在都市議会議長協議会(会長•竹部隆熱海市議会議長)が書面で開いた総会決議と合わせ、14日、齋藤、竹部両会長の連名で温泉所在都市協議会の職員を通して、全国温泉振興議員連盟(会長•中曽根弘文参院議)に所属する国会議員へ届け、支援を要請した。
要望では、新型コロナ対策の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象地域の内外にかかわらず、温泉所在都市をはじめとした地方が必要とする額について、地域の実情に応じて幅広く対象になるよう、柔軟な枠の見直しと手続きの簡素化などを求めている。
(熱海ネット新聞)
■要望書の提出先 勝俣孝明、渡辺周衆院議員(静岡6区)、中曽根弘文参院議員、中川雅治参院議員、岩屋毅衆院議員、牧島かれん衆院議員、佐々木紀衆院議員

竹部隆市議会議長

■要望書の内容
1 新型コロナウイルス感染症対策に要する財源の確保
新型コロナウイルス感染症対策については、緊急事態宣言やまん延防止等重 点措置の対象地域の内外にかかわらず、全国において地域経済への支援や感染 対策を継続的に講じることが求められていることから、今後の感染状況も踏ま え、温泉所在都市をはじめとした地方が必要とする額について、引き続き新型 コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の確保を行い、地域の実情に応 じて実施する事業が幅広く対象となるよう、さらなる柔軟な枠の見直し、弾力 的な運用や期間延長、手続きの簡素化などを図ること。

2 観光産業をはじめとした地域経済への支援
1年以上にわたり新型コロナウイルス感染症の影響を受け続け、さらには緊 急事態宣言やまん延防止等重点措置の発動により、休業・時短要請の対象となった地域はもとより、観光産業を基幹産業とする温泉所在都市においては観光・宿泊・交通関連の事業者をはじめ、温泉供給事業者、飲食事業者、運転代 行業者、ブライダル事業者、イベント事業者、農林漁業者、芸妓・コンパニオ ン事業者など関連する取引先まで含めて広く影響を受けており、地域経済・雇 用に極めて深刻な影響が生じていることから、持続化給付金や家賃支援給付金 の再支給や無利子融資、償還・据置期限の延長など、幅広く事業者への経営支 援を行うこと。
また、観光産業の回復には継続的な観光需要喚起対策が必要であることから、 感染症の状況を踏まえつつ、GoTo キャンペーンの実施期間延長や温泉所在都 市が地域の実情に合わせて独自に実施する割引クーポンなどの施策に対して、 財政支援の対象とすること。
さらに、宿泊事業者が感染拡大防止策に取り組む際の導入費用については、 都道府県に対して新たに補助する制度が創設されたが、宿泊事業者以外にあっ ても同様の対策を講じていることから、対象事業者を限ることなく、補助対象 の拡大や事業規模に応じたきめ細やかな措置を講じること。

3 新しい生活様式への対応と推進
新たな働き方として推進されている「ワーケーション」は、人の流れを抑制 しつつも、コロナ禍における経済活動を推進していくために極めて重要であり、 全国の温泉地においては、その受け皿として高いポテンシャルを有している。
ワーケーションはもとより、全ての旅行者の快適な滞在のためにも、Wi-Fi 環境の整備やキャッシュレス化の整備、受け入れ施設や設備の改修など、温泉 所在都市が行っている多様な取り組みについて、財政支援を行うとともに、ワ ーケーションの一層の推進を図ること。

4 地方一般財源の安定的な確保
温泉所在都市に特有の入湯税は、ごみ処理などの環境衛生施設や消防設備 の整備を通じて安全安心なまちづくりを行うために欠かせない貴重な財源と なっているが、人の流れが途絶えている状況下においては、その安定的な確保 が極めて難しくなっているなど、温泉所在都市には特別な財政事情が生じて いる。
新型コロナウイルス感染症対策に全力で取り組む中、温泉所在都市をはじ め、地方が安定的な財政運営を行うために必要となる地方税や地方交付税などの一般財源総額については、今後も必要所要額を的確に捕捉し安定的に確 保すること。

令和3年6月
温泉所在都市協議会 
 会長 熱海市長 齊藤 栄
全国温泉所在都市議会議長協議会
 会長 熱海市議会議長 竹部 隆

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