第20回伊豆文学賞(静岡県、伊豆文学フェスティバル実行委員会主催)が1月11日、発表され、最優秀賞(賞金100万円)には、小説・随筆・紀行文部門に応募した熱海市の中尾千恵子さん(筆名ちゑこ)さん(70)の小説「熱海残照」が選ばれた。23都県と海外2カ国から応募があった小説・随筆・紀行213編の頂点を射止めた「熱海残照」は、熱海のリゾートマンションに暮らす65歳の女性が主人公。がんを患った男性との交流を通して変わる様子を描いた小説。。中尾さんは浜松の高校卒業後、大学は関西、仕事場は東京。約40年間は県外が生活の基盤だったが、袋井市に住む両親の死をきっかけに再び静岡県民となり、現在は熱海と東京を往復している。贈賞式は3月5日、修善寺生きいきプラザ(伊豆市)で開かれる。
◆中尾千恵子さんの話 (受賞の知らせに)本当に驚いた、嬉しい。7年前熱海図書館で伊豆文学賞を知り今回で4回目だったが、書くことが好きなので、諦めずに応募していた。今までとはテーマを変えて、身近なものにしたのがよかったのかもしれない。まず、家族や友人に受賞したことを伝えたい。
◆入賞者 ▽小説・随筆・紀行文部門=優秀賞 瀬戸敬司(裾野市)▽佳作 杉山早苗(御殿場市)佃弘行(名古屋市)
▽メッセージ部門=優秀賞 鈴木敬盛(長泉町)井村たづ子(菊川市)真野鈴子(沼津市)清水広六(湖西市)岡野沙耶(静岡市)▽学校奨励賞 市立沼津高
◆伊豆文学賞 文学のふるさと伊豆をはじめとする静岡県内の自然や地名、行事、人物、歴史などを題材とした文学作品を公募。川端康成の「伊豆の踊子」や井上靖の「しろばんば」に続く新たな文学作品や人材を見いだそうと1997年から毎年開催。最優秀作品1点(賞金100万円)、優秀賞1点(賞金20万円)、佳作2点(賞金5万円)
◆審査員 小説・随筆・紀行文部門
三木 卓 (作家、第69回芥川賞受賞、日本芸術院会員)
村松友視 (作家、第87回直木賞受賞)※村松氏の視は示偏に見
嵐山光三郎 (作家、第58回読売文学賞受賞)
太田治子 (作家、第1回坪田譲治文学賞受賞)
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