最後の登校となる熱海高校の卒業生が3月1日、粋な計らいで通学した。熱海市は県立熱海高とJR伊豆多賀駅間に約15年かけて整備してきた通学路「さくらの名所散策路」の開通式を3月16日に行う。それでは3年生が利用できないことから、この日の卒業式に合わせ、散策路を散策路を1日限定で仮開通させた。市は「日本一美しい通学路」で熱海高校の人気を高めるとともに多賀湾が見渡せる桜の観光名所にしようと2002年(平成14年)に工事に着手。しかし、全長760メートルのうち、同校寄り342メートルが完成した時点で用地買収が難航し中断した。難航の末、バトンを受けた斉藤栄市長が都内の地権者と交渉し、2014年にようやく工事が再開。本年度は残り261メートルの工事を行い、卒業式の仮開通に漕ぎつけた。
この日、午前8時半過ぎに伊豆多賀駅に降り立った卒業生たちは、先輩たちの思いも胸に一歩一歩かみしめながら、15分で熱海高校へ。下って登るこれまででより、およそ時間が半分に短縮。卒業生の一人は「入学式の際に、今年度中に完成し、2年生からはさくらの名所散策路で通学できるといわれた。それがかなわわいまま卒業式が近付き、これじゃ、まるで”できるできる詐欺”だよね、とみんなでジョーク半分に話していた。でもたった1日でも通学することができて本当にうれしい」。9回2死からの滑り込みセーフに卒業生たちの笑顔がはじけた。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
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