【社会】南熱海に異変 春の風物詩「ワカメのカーテン」姿を消す


熱海市の大縄海岸では、暖冬の余波を受けて養殖ワカメが育たず、大熱海漁業協同組合に加盟する下多賀・小山の組合員が収穫を断念したり、早じまいする苦境に立たされている。例年は1月20日頃から水揚げを始めるが、約1カ月半が経過ても少量しか育たず、3月3日、下多賀魚水会所属で内田丸船主の内田信明さん(67)は今シーズンの収穫を断念、養殖棚を撤収した。
内田信明さんのところでは、毎年2月になると国道135号線沿いにワカメを天日にさらして乾燥させ、潮風になびくその光景は「ワカメのカーテン」として全国のメディアに紹介されてきた。「年々少なくなってはいたが、収獲ゼロは初めてです」と天を仰ぐ。
お隣の利一丸船主の内田利一さん(67)は、リピーターの要望を考慮してこの日から「ワカメのカーテン」を始めたが、商品化できる大きさに育ったのは極端に少ない。「これでは注文客の分をさばききれない」と困り顔。「ワカメのカーテン」は、これまでに経験したことのない小さなものとなった。
同じ多賀湾でも、上多賀地区は、さほど温暖化の影響を受けておらず、例年通り、先月から収穫を続けている。
◆養殖 毎年、11月中旬に大縄海岸から中野海岸の水深10メートル海域に直径1センチ長さ40メートルのロープに胞子を付託させた糸を50センチ間隔で海へ放ち、根付け(種付け)を実施。その胞子が発芽して1~1.5メートルに育つ1月20日頃から水揚げをはじめ、2月10日頃に最盛期を迎える。



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