【市政】市営渚駐車場、来月から閉鎖 住民が猛反対「生活に影響」



熱海市の市営渚駐車場で7月下旬から開始予定だった「渚キャンピングロット」事業が6月17日、地域住民の反対により事実上中止になった。同事業はこの日スタートした「ATAMI2030会議」(熱海リノベーションまちづくり実行委員会主催)の一環で計画され、市営渚駐車場の14台分のスペースに芝生を張り、木を植栽してミニ公園に改造。そこに運営会社の「mazel」(佐別當隆志社長)がキャンピングカーを誘致して置き、ツーリストの滞在施設にするというもの。
冒頭から紛糾、生活に影響する
この日午後1時から渚町のつるやミーティングルームで渚町住民への事業説明会が初めて開かれたが、冒頭から紛糾した。3日前に配られた案内状に「このたび、弊社(mazel)では、2017年7月下旬より熱海市役所の協力を得て、渚町駐車場にてキャンピングカー事業を開始する」と記してあったからだ。住民の一人は「事前に何の相談もないまま、いきなり来月営業開始とは乱暴すぎる。渚地区は飲食店が多く、たくさんの客が渚駐車場を利用している。銀座町や友楽町の店主や従業員も利用しており、これは市民全体の生活に影響する問題」と声を荒げ、別の住民は「どういう経緯で市は公共の駐車場を民間の一企業の専用にするのか。市長も了解しているのか」と、市の担当職員に質した。
市側は「まだ決まったわけではない。あくまでその前の段階の説明会」と弁明したが、住民側は「mazel」社がこ事業実施を前提にクラウドファディングを使って資金調達をしていることを指摘し、「決定でないのに不特定多数の人からお金を集めるのは詐欺的行為に等しい」と詰め寄った。これに対し、同社の佐別當社長は「今年3月にこの事業計画が持ち上がり、4月に市に相談したところ、森本要副市長から”協力する”という言葉をいただいた。そこで5月から資金の調達を始めたわけで、本日の時点で集めた額は70万円。もちろん、中止になれば、全額返金する」と話した。
15人中、賛成は町内会長1人、残り14人は反対
主催者が、出席者に賛否を問うたところ、キャンピングカー事業に賛成したのは15人中、町内会長1人だけ。残りは全員反対。「まちなかに公園を造り、キャンピングカーの滞在施設を設けるというのは悪い話ではない。問題は場所。熱海港の芝生広場や小山臨海公園でやればいい」「説明会もいいが、土曜の午後1時は飲食業者にとって一番忙しい時間帯。反対したくても来られなかった人は大勢いる」「それでなくとも熱海は今人気で駐車場が不足している。来年から始まるJRのディストネーションキャンペーンや2020年東京五輪・パラリンピックを考えれば、駐車場を減らすべきではない」などの厳しい意見が相次いだ。
結局、この日は当初の目的の説明会には至らず、”そもそも論”で終了。運営会社と市はあらためて説明に出向くなどして住民に同意を求めていく方針だが、住民らは「市が住民の反対を押し切って渚駐車場をなくすというなら、署名を集めて9月市議会で請願を出す」とも話しており、この事業は事実上消滅とみていい。「住まうまち熱海」を掲げる齊藤栄市長の政治判断が注目される。
(熱海ネット新聞・松本洋二)




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