【社寺】頼朝公ゆかりの獅子神楽と稚児舞を奉納 今宮神社例大祭




今宮神社(泉明寺みずほ宮司)例大祭は10月20日、本殿で神事が厳かに執り行われた。泉明寺宮司が祝詞を奏上し、八代一雄氏子総代長、窪田憲照祭典実行委員長、金森和道市議、氏子役員らが玉串を捧げ、熱海市の安全や繁栄を祈願した。
神事に続いて境内では、市の指定無形民俗文化財・社伝神楽と稚児舞を奉納した。獅子神楽・社伝神楽は同神社の獅子神楽保存会(山田良則会長、会員15人)が800年以上に渡って受け継いできたもので、斉藤芳信副会長と斉藤直伸さんが「さがりは」(四方を清める舞)、「しんびょうし」(鈴と幣束を持って神を呼ぶ舞)、「つるぎのまい」(左手に頼朝公の剣、右手にすずを持って悪魔を退治する舞)、「くるいまい」(神が獅子に乗り移って厄除けをする舞)―4つの演目を奉納した。
■頼朝公が奉納したゆかりの剣
「つるぎのまい」で使った「剣」は、源頼朝公が800年以上も前、旗揚げのため、伊東より伊豆山に向かう際、平家の追ってから逃れて多賀山の一杯水で渇きを癒やした。そののち、山のふもとから聞こえてきた笛の音に誘われるように同神社を訪れ、大楠の祠(ほこら)で成功開運を祈願した。頼朝公は源氏再興を果たせたことで同神社を厚く崇敬し、社殿を造営するとともに、この剣を奉納したという。
「くるいまい」では、獅子がたびたび観衆かみつくが、この獅子にかみつかれると「厄除けに」になるとされる。熱海市の神社で獅子神楽を伝承しているのは同神社のほかに下多賀の和田木神社があるが、今宮神社で神事を司る獅子は「雌」のため毛がない。
■永年勤続表彰(獅子神楽) 50年=瀧敏行、30年=山崎英史






続いて地元の熱海の女児12人が境内で「豊栄の舞(とよさかのまい)」を奉納した。12人はMOA、富士、小嵐保育園の園児で今年9月から稽古に励んできた。前日の宵宮祭は雨天のため、本堂で行われたが、この日は秋空の下、のびのびと神楽を奉納した。
「豊栄の舞」は、太陽に感謝し、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願う舞で稚児たちは厳かな雰囲気の中、雅楽独特の琴や拍子に合わせ、もみじを手に優雅な舞いを披露し、見物客から拍手を浴びた。
■今年度・稚児舞奉仕者 蛭田桃菜、千葉郁実、八代美織、大武永愛(MOA熱海)佐藤千裕(富士)石原果歩、小野胡桃、大川陽菜、野田ひらり、太田遥(小嵐)中村小万智、藤井結理(緑ガ丘)

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