【市政】斉藤市長が2018年度「施政方針演説」=全文掲載

熱海市議会2月定例会が2月22日開会し、齊藤栄市長が2018年度の施政方針演説を行った。「熱海の次の10年、20年を見据え、持続的な発展のための礎(いしずえ)づくりに着手する」と話し、来年度は子育て・教育環境の充実や高齢者福祉に力を入れ、人口定着を図る。

1.はじめに

 平成30年2月市議会定例会が開催されるにあたり、私の市政運営について所信を述べさせていただくとともに、平成30年度の施策の概要を申し上げ、議員各位、並びに市民の皆様のご理解とご協力をいただきますよう、お願い申し上げます。

「住まうまち熱海づくり」を加速するとともに、持続的発展のための礎づくりに着手する年

 新しく生まれ変わる熱海「新生熱海」の実現に向け、「日本でナンバー1の温泉観光地づくり」、「住まうまち熱海づくり」、「市民のための市役所づくり」の3本柱に基づく市政運営も4年目を迎えます。
 この間、「日本でナンバー1の温泉観光地づくり」につきましては、市民の皆様、産業界の皆様とともにこれまで取り組んできた、シティプロモーション、熱海梅園の梅や糸川のあたみ桜、ジャカランダ遊歩道など、地域資源を磨き、誘客につなげる観光まちづくりの成果が実を結びつつあり、宿泊客数も平成27年から3年連続で300万人を突破している状況にあります。こうした状況に伴い、民間投資や起業・創業を希望する方も増加傾向にあり、まちの賑わいも増しつつあります。現在の熱海の回復傾向は、市民の皆様、産業界の皆様とともにオール熱海で取り組んできた成果であり、改めて、市民の皆様、産業界の皆様のご尽力に御礼を申し上げます。
 「住まうまち熱海づくり」につきましては、特に、未来を担う子どもと子育て家庭の支援に注力をしてまいりました。
 子育て相談窓口「すくすく」や産前産後サポート事業の創設など安心して子どもを産み育てる環境の整備や、認定こども園整備事業の推進、「IPPOあじろ園」での療育事業の開始、学校施設等の大規模修繕への本格的取り組みの開始、奨学金制度の拡充など就学前を含め教育環境の充実を図ってまいりました。
 また、各地域における高齢者を敬い、感謝する活動を支援する地域敬老会開催奨励金の開始、居場所としての総合福祉センターの改修、地域包括ケアシステム構築に向けた取り組みや、障がい者雇用の促進のためのモデル事業の実施など、福祉の向上を図ってまいりました。
 加えて、熱海市公共施設等総合管理計画を策定するとともに、火葬場施設のリニューアルや、西部地区消防団第3分団詰所及び初島消防団第9分団詰所新設など、市民インフラである公共施設の本格的な修繕などにも着手してまいりました。
 行財政の動向にも気を配りながら、こうした取り組みを着実に推進してまいりましたが、観光・商業振興、教育、福祉など、どの分野をとってみても取り組まなければならないことは多く、新生熱海の実現は道半ばであります。
 引き続き、新生熱海の実現に向け、「日本でナンバー1の温泉観光地づくり」、「住まうまち熱海づくり」、「市民のための市役所づくり」の3本柱の下での施策展開を加速するとともに、同時に、熱海の次の10年、20年を見据え、持続的発展のための礎づくりに着手してまいります。
 回復傾向にある現状に甘んずることなく、熱海の将来を展望し、そのために必要な発展の礎をつくる。この数年がまさにその正念場であり、市民、産業界、議会、行政が一丸となって、本市の持続的発展の礎をともに築いていくことが重要であります。改めまして、市民、産業界、議員の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

2.平成30年度の重点施策

(1) 日本でナンバー1の温泉観光地づくり

1. 静岡デスティネーションキャンペーン等を契機とした積極的な誘客施策

 本年より、日本、静岡県、伊豆半島に、世界の目、日本の目が向けられる機会が目白押しとなります。
 JRによる静岡デスティネーションキャンペーンを来年4月に控え、本年4月から6月まで、プレキャンペーンが開催されます。また、期待される伊豆半島ジオパークの世界認定、2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催など、これらは、国内外に観光地熱海を発信する貴重な機会となります。
 こうした機会を捉え、積極的にシティプロモーションや誘客施策を展開し、温泉観光地としての熱海をさらに確立していくことが重要です。
 本年においては、静岡デスティネーションキャンペーンに際し、来遊客の市内の回遊性の向上を図る商品造成や、世界文化遺産 韮山反射炉や三島スカイウォークなど近隣市町の観光関連施設への二次交通の整備など、熱海を中心とした来遊客の回遊性の向上を図る事業を推進してまいります。
 また、6月には、閑散期の誘客施策及びメディアプロモーションの一環として、「熱海国際映画祭」を開催し、国内外に熱海の名を発信してまいります。加えて、熱海全地域の底上げをしていく観点から、各地域が取り組む積極的な誘客施策に対し、支援を行ってまいります。
 今後も、熱海にかかわる全ての方々の協力を得て、シティプロモーション、観光まちづくりをさらに進化させ、本市の観光を更にもう一段高いステージに押し上げるべく取り組んでまいります。

2.来遊客の満足度向上

 積極的な誘客施策を講じていくのみならず、同時に、まち一丸となって、お越し頂いたお客様の満足度を高め、熱海に来て良かった、熱海にまた来たいと思って頂くことが、観光地としての更なる発展にとって重要です。
 そのため、平成30年度も、市民の皆様や産業界と行政が役割分担しつつ、しっかりと連携を図ることを基本として、マーケティングに基づくシティプロモーションと観光コンテンツやおもてなしの心を磨く観光まちづくりを同時に推進することで、来遊客の満足度向上を図ってまいります。
 観光ブランド・プロモーション事業につきましては、静岡デスティネーションキャンペーンを好機と捉え、改めて熱海のブランドイメージを全国に訴求するためのプロモーションを強化するとともに、食によるブランドづくり、夜の賑わい創出やインバウンドの推進に取り組み、来遊客の増加、滞在時間の延長、観光消費額の増加を図ってまいります。
 また、昨年発足した官民からなるクルーズ船誘致委員会を中心にクルーズ客船誘致活動にも取り組んでまいります。
 プロモーション活動とともに、魅力ある観光施設の整備も重要です。
 まず、国の官民連携基盤整備調査費補助金を活用して実施している熱海港湾エリアの賑わい創出調査を活用し、第4工区を含め、港湾エリアの整備促進に向けた動きを活性化させ、ウォーターフロントの魅力づくりに取り組んでまいります。
 また、史跡として市の指定文化財に指定されている大湯間歇泉の周辺につきましては、修景整備を行い、観光拠点としての価値を高め、より多くの観光客の皆様に立ち寄っていただけるよう対策を講じてまいります。
 初島への来遊客をお迎えする玄関口となる初島漁港交流広場の整備につきましては、平成31年度当初の供用開始を目指し、休憩施設の建設に着手してまいります。
 東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向かって、日本を訪れる外国人観光客は年々増加しており、熱海市においても今後増加していくことが見込まれる外国人観光客の受入環境整備を加速する必要があります。
 そのため、引き続き公共施設への無料公衆無線LAN環境の整備、パンフレット・ホームページの多言語化の充実を図るとともに、市内事業者が行う既存のWi-Fiスポットの整備、トイレの洋式化に対する支援に加え、新たにクレジット決済機器の導入を支援してまいります。
 また、高齢者、障がい者や訪日外国人など多様化するお客様への対応力の強化のため、LGBT研修を含めたユニバーサルマナー研修を実施し、産業界及び行政のホスピタリティの向上に取り組んでまいります。

3.観光地域づくりの体制構築に向けた検討

 現在、全国の観光地において、日本版DMO構築の動きが進んでいます。本市においても、観光地域づくりに取り組んでいく上で、「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、データに基づくマーケティング、それに基づく戦略の策定・実行や関係者との合意形成・協働を行うDMOの構築は不可欠です。
 DMOに必要とされるマーケティング機能、プロモーション機能をさらに強化していくとともに、観光地熱海におけるDMOのあり方や財源についての検討を進めてまいります。

4.まちの賑わいの創出

 現在、本市で起業・創業を目指す新しい動きが芽吹きだしています。この動きを確実なものとするため、引き続き、地域の資源・空間・人材を活用するリノベーションまちづくりを起業・創業支援と一体で推進し、新たなビジネスに取り組みやすい環境の整備と若年層を中心とした起業・創業、地域への定着を支援してまいります。同時に、「ATAMI2030会議」などにおいて、地域課題の共有、地域資源の掘り起こし、人材のマッチングの場作りをしてまいります。
 熱海商工会議所と連携して取り組んでいる熱海市チャレンジ応援センター(A-biz)は、昨年11月にチーフアドバイザーが着任して以降、すでに250件を超える相談に応じ、多くの事業者にご利用頂いております。引き続き、起業・創業支援とも連携しつつ、事業者のチャレンジを応援し、「稼ぐ力」を引き出す経営支援を実施してまいります。
 起業・創業の動きがある一方で、基幹産業である観光関連産業を中心に、人手不足の状況は改善されていません。引き続き、静岡労働局との連携によりミスマッチの解消と人材確保に向けた取り組みを進めるとともに、市内事業者が実施する求人掲載媒体の拡充に資する支援などを実施してまいります。

(2) 住まうまち熱海づくり

1.子育て・教育環境の充実

 本市の課題である少子高齢化、それに伴う人口減少に歯止めをかけ、持続的発展を目指すため、引き続き、子育て世代や高齢者の皆様の暮らしを豊かにする「住まうまち熱海づくり」への取り組みを加速してまいります。
 まず、安心して子どもを産み育てる環境の充実を図ってまいります。
 昨年4月に設置した母子健康包括支援センター「すくすく」の機能を拡充し、出産後の母子を支えるサービスを充実します。
 具体的には、出産後間もない時期の産婦を対象に産婦健康診査を実施します。診査に伴う経済的負担を軽減するとともに、母体の身体的機能の回復及び精神状態の早期の把握を行い、必要な支援につなげてまいります。
 これに加え、出産後の一定期間、家族等の支援を得ることが難しく、専門職による支援が必要な母子を対象に、助産師が自宅を訪問し、必要な支援を行う訪問型産後ケアを実施し、母子を支えるサービスの充実を図ってまいります。
 また、適切な治療を受けることにより出産できる可能性が高いといわれる不育症について、治療費の一部を助成し、経済的負担の軽減を図ってまいります。
 子ども医療費助成制度につきましては、自己負担なし、所得制限なしのまま、対象年齢を現行の15歳から18歳に拡大し、教育費等の負担が増大する子育て家庭等の経済的負担の軽減を図ります。
 次に、認定こども園や専門的な療育環境の整備など、就学前施設の充実を図ってまいります。
 まず、(仮称)あたみ認定こども園整備事業につきましては、第二小学校及び小嵐保育園園舎のリノベーションによる幼保連携型認定こども園建設のための基本設計・詳細設計を実施するとともに、保護者や地域の皆様の理解促進などに努めてまいりました。
 これらを踏まえ、平成32年度当初の開設を目指し、本年から2カ年にわたり、地域の教育と保育の拠点施設となるよう改修工事を進めてまいります。その際、児童の授業への配慮や安全確保に最大限努めるなど、児童、保護者、地域に配慮しつつ、事業を推進してまいります。
 就学前の発達に課題や遅れの不安を持つ子どもの専門的な療育環境の提供を目的とした「IPPOあじろ園」の利用ニーズが高まっていることから、定員を現行の1日10人から20人に拡大し、支援を強化してまいります。
 こうした「IPPOあじろ園」の利用の現状を踏まえ、就学前の発達に課題や遅れの不安を持つ子どもの専門的な療育環境を一層充実していくため、本年度末をもって閉園となる市立上多賀幼稚園を活用し、児童発達支援センターを設置します。平成31年4月の開設を目指し、園舎の施設の改修を行いつつ、指定管理者制度の下での開設に向けた準備を行ってまいります。
 次に、安心して過ごせる教育環境を確保するため、引き続き、学校施設等の修繕や学校のトイレの洋式化に注力してまいります。
 本年度は、(仮称)あたみ認定こども園整備事業にあわせ、第二小学校において、校舎の外壁補修工事、児童用玄関の全面改修工事などを進めるとともに、昨年より実施している多賀小学校屋上防水工事を次の段階に進めてまいります。また、第一小学校及び第二小学校の児童用トイレの洋式化に着手し、今後、複数年をかけ、学校のトイレの洋式化を進めてまいります。
 放課後児童健全育成事業、いわゆる放課後児童クラブにつきましては、引き続き、預かり時間の延長や土曜日開設を実施するとともに、本年7月の開設を目指し、第二小学校区放課後児童クラブ施設の整備を実施してまいります。
 教育関連施設の整備とともに、特色ある教育を進めていくことも重要です。本年4月から、網代小学校の児童数の増加を目指す、地域と行政の協働事業である網代小学校放課後学習会事業を開始いたします。
 地域の皆様との検討を踏まえ、小規模特別認定校である網代小学校が、特に注力している英語教育をさらに深化させ、一層充実した英会話学習の機会を放課後に実施し、児童の放課後の居場所づくりと学校生活の魅力を向上させる取組を地域の皆様とともに進めてまいります。
 経済社会の変化を受け、教育を取り巻く環境も大きく変化しています。本市においても、未来ある子どもたちが、郷土を想い、社会で生きていく力を高めていくため、より一層、教育内容の充実や特色ある教育を進めていくことが重要です。そのため、平成30年度より、総合教育会議の下で、教育長、教育委員の皆様との議論を深め、指針となる新しい時代の教育大綱の策定に向けた準備を始めてまいります。

 

2.高齢者福祉の向上

 平成29年度に実施した、いきいき活動調査の結果などを踏まえた第8次熱海市高齢者福祉計画に基づき、高齢者福祉の更なる向上に向け取り組んでまいります。
 はじめに、高齢者が、住み慣れた地域で、いつまでもいきいきと活動できる居場所づくりの取り組みに対する支援を強化します。
 具体的には、地域における身近な居場所としての地域サロン活動の拡充のため、サロンの立ち上げから、相談、登録、リーダー養成、運営支援までトータルで支援する体制を整備するとともに、運営や立ち上げにかかる経費を支援してまいります。
 次に、将来に対する不安を抱えた高齢者の不安を和らげ、行政や地域とのコミュニケーションの促進や必要な支援につなげていくため、熱海市版エンディングノートを作成し、活用を促してまいります。同時に、終活に関する講演会を実施するなど、元気なうちから将来を考える機会を醸成してまいります。
 さらに、地域の実情に応じたきめ細かい対応を一層強化していくため、地域ケア会議の活動を強化してまいります。地域ケア会議を通じて、地域により異なる課題に対し、多職種協働によるケアマネジメント支援を行うとともに、地域の支援ネットワークの構築を図り、地域ぐるみの支援を推進してまいります。
 また、喫緊の課題である認知症対策の一環として、「認知症初期集中支援チーム」を設置します。生活圏域ごとに認知症の方やその家族に早期に関わり、診断・対応を行う支援体制を構築してまいります。

3.市民インフラの整備、安全・安心の確保

 公共施設や公共サービスは市民生活にとって不可欠です。しかしながら、施設の維持管理、修繕、更新などには多額の費用を要します。こうした中で、計画的に、選択と集中による施設の適正化や適切な維持管理、修繕、更新などを進めていく必要があることから、昨年策定した熱海市公共施設等総合管理計画及び熱海市公共施設個別施設アクションプラン第1.期に基づき、老朽化が進んだ公共施設の改築・修繕等に取り組んでまいります。
 特に、平成30年度は、熱海市公共施設個別施設アクションプラン第1.期策定後の予算編成初年度であることを踏まえ、優先順位を見極めつつ、集中的に改築・修繕等を実行してまいります。
 まず、築後50年が経過し老朽化が著しい南熱海支所・消防署南熱海出張所について、現在地に津波への対策を講じた上で、地域の行政水準の確保と消防・防災の拠点としての機能の充実を図りつつ、平成31年度中の供用開始を目指し、建て替え工事に着手します。
 なお、工事期間中、南熱海支所については、南熱海マリンホール内に移設し、消防署南熱海出張所については建物を残置し、業務の継続性を確保します。
 この他、総合福祉センターの空調設備や館内備品の更新、笹良ヶ台市営住宅3・4棟の長寿命化のための外壁等改修工事、用途廃止した市営住宅の解体、姫の沢公園スポーツ広場の人工芝の全面張替えなど、市民の利便性の向上や安全・安心の確保のため、市民インフラの修繕等に積極的に取り組んでまいります。
 また、各種証明書の取得に際しての市民の利便性を向上するため、マイナンバーカードを利用し全国のコンビニエンスストアで住民票や印鑑登録証明書、戸籍証明書、各種税証明などが取得できるコンビニ交付サービスを本年10月から実施してまいります。
 市民の生命と財産を津波被害から守るため、昨年10月にとりまとめられた津波対策の方針に基づき、県に対し、必要な防潮堤の早期整備を要望していくとともに、市としても避難路の整備を含むソフト対策を講じてまいります。平成30年度は、初島地区・上多賀地区において避難路の整備を実施してまいります。

3.各部門の主要施策

(1) 経営企画部門

 まず、経営企画部門についてです。
 市役所の最大の経営資源は職員であるという認識の下、引き続き専門知識を得るための派遣研修、視野を広げ知識を深めるための先進地視察研修などを通じ、チャレンジ精神と行動力のある人材の育成に取り組んでまいります。同時に、コンプライアンス研修やハラスメント研修などによりコンプライアンス意識の向上を図るなど、職員の意識と能力の向上を図り、組織力の強化に取り組んでまいります。また、臨時職員の処遇改善についても引き続き取り組んでまいります。
 広報情報につきましては、若者を中心に定着しているSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の更なる活用など、市民や来遊客が手軽に重要な情報を得ることができるよう効果的な情報発信に取り組んでまいります。
 また、公共施設マネジメントの一環として、老朽化が進んでいる市役所第2庁舎をはじめ、市役所敷地内に存在する庁舎等の劣化状況調査を実施し、各建物、設備の修繕計画や将来の改築・改修に関する検討のための基礎データの蓄積を行います。

(2) 市民生活部門

 次に、市民生活部門についてです。
 平成30年度から都道府県が財政運営の主体となり、国民健康保険事業の中心的な役割を担う、いわゆる広域化につきましては、県と連携し的確な事業運営を行ってまいります。
 火葬場につきましては、待合室、多目的室、トイレなどの全面リニューアルを実施いたしましたが、引き続き、耐震性に劣る葬儀式場棟の解体、駐車場の改修など、会葬される皆様が快く使用していただけるよう整備をしてまいります。
 エコ・プラント姫の沢につきましては、平成27年度からの4年計画で進める大規模保全工事の3年が終了し、施設の機能は大きな改善を見せております。将来にわたって安定した運転を継続するため、計画最終年度の保全工事を実施してまいります。
 し尿処理施設の整備につきましては、既存の下水道処理施設等を活用して、湯河原町、真鶴町と共同でし尿等を処理していくため、現在、受入・投入施設の基本設計等を行っております。両町と情報を共有しながら、早期実現に向け着実に協議を進めてまいります。
 市民協働につきましては、NPO・ボランティア団体などの育成・活動支援などとともに、環境、消費などに取り組む団体や町内会長連合会などとも連携し、推進してまいります。また、雑がみの回収につきましては、可燃ごみの減量等のため、引き続き、市民、事業者と協働しながら進めてまいります。
 税務につきましては、90.1%まで向上してきた市税収納率の更なる向上を図るため、電子決済等を利用した納税方法を検討してまいります。
 防災・危機管理につきましては、大規模災害等の発生に備え、老朽化した防災行政無線曽我山中継局舎の改修整備、西部コミュニティー防災センターのトイレの洋式化を実施してまいります。 

(3) 観光経済部門

 次に、観光経済部門についてです。
 観光振興につきましては、観光ブランド・プロモーション事業を着実に進めるとともに、「意外と熱海」プロジェクトの最終年となることから、これまでの事業効果の検証と、今後のプロモーション事業の方向性を検討してまいります。
 メディア・プロモーション事業につきましては、市民の皆様のご協力を得ながら進めるとともに、「熱海国際映画祭」との連動により、メディア露出の強化を図ってまいります。
 また、別荘コンシェルジュ事業につきましては、別荘所有者のニーズを捉え、適時に情報を発信するとともに、市内飲食店等とのマッチングを通じて、熱海での滞在時の満足度を高め、来訪頻度の向上に努めてまいります。
 産業振興につきましては、リノベーションまちづくり、起業・創業支援、熱海市チャレンジ応援センター(A-biz)の活動を一体で推進し、地域資源の掘り起こし、起業・創業支援、経営支援を強化し、まちの賑わい創出を図ってまいります。
 農林水産振興につきましては、農地等への有害鳥獣の出没に対して、引き続き被害防止に取り組むとともに、農地集積の推進、新規就農者の支援など農業基盤の整備を進めます。また、本市の山林という未活用の地域資源を活用し、新たな就労機会の創出とともに、自然環境の保護、再生エネルギーへの転換への促進を目指して取り組んでいる自伐型林業を推進してまいります。

(4) 建設部門

 次に、建設部門についてです。
 本年度中を目途に改訂を予定している「熱海市都市計画マスタープラン」に基づき、人口減少・少子高齢化を見据えたコンパクトシティの形成を目指すため、「立地適正化計画」の策定を進めてまいります。
 市営住宅につきましては、長期的視点における予防保全の観点から定期的な修繕を行い、長寿命化を図ってまいります。管理におきましては、民間による管理を推進するとともに、包括的な管理の手法を検討してまいります。また、市営住宅の役割、集約化、効率的な維持管理等を検討し、「公営住宅長寿命化計画」を見直してまいります。
 空き家対策につきましては、引き続き空き家実態調査を行うとともに、「熱海市空家等対策計画」に基づき良好な生活環境の保全や空き家の利活用等の対策を講じてまいります。
 建築物の耐震化につきましては、引き続き国や県をはじめ、関係団体等との連携による啓発活動など、積極的に各種施策の展開を図り、耐震化を効果的に推進してまいります。
 道路、橋梁などにつきましては、市民生活に身近な道路の利便性や安全性を高めるため、改良を積極的に進めてまいります。あわせて、定期的な見回り点検を実施しながら、道路、橋梁の補修を実施していくとともに、橋梁の長寿命化や耐震化工事などを計画的に進めてまいります。
 公園等につきましては、親水公園や東海岸サービスセンターのトイレの洋式化など必要な修繕を行い利用者の満足度向上に努めてまいります。
 また、姫の沢公園、マリンスパあたみを含む熱海海浜公園、市営駐車場及び熱海駅前自転車等駐車場につきましては、平成31年度指定管理者選定に向けて、プロセスを進めるとともに、姫の沢公園管理棟建て替えに伴う解体や、来の宮駐車場の運営を24時間化するための機械化など、施設の利便性向上に取り組んでまいります。

(5) 健康・福祉部門

 次に、健康・福祉部門についてです。
 高齢者介護につきましては、平成30年度からスタートする第7期介護保険事業計画に基づき、ケアプラン点検などを通じた介護給付費の適正化を一層推進するとともに、介護事業所のサービスの質の確保や地域に相応しい介護サービス提供体制の実現に努めてまいります。
 また、地域の在宅医療と介護の連携を支援する相談窓口として在宅医療・介護連携センターを設置するとともに、熱海市成年後見支援センターを設置し、相談対応、広報活動、市民後見人の育成などを総合的に実施し、成年後見制度の利用促進につなげてまいります。
 生活習慣病対策につきましては、引き続き特定健診やがん検診の受診しやすい環境の整備に取り組むとともに、特に、検診受診率が低い乳がん検診、子宮頸がん検診について、未受診者にコール・リコールによる受診勧奨を行い、受診率の向上を図ってまいります。
 また、受診の結果、指導や支援が必要な方に対して、専門的な指導が受けられる機会を設けるなど、生活習慣の改善支援や、早期対応による重症化防止に努めてまいります。
 スポーツ振興につきましては、市民ニーズを踏まえつつ、熱海市スポーツ推進計画の見直し等を図ってまいります。

(6) 公営企業部門

 次に、公営企業部門についてです。
 公営企業三会計につきましては、ライフラインを担う事業として、効率的かつ安定的な経営に努め、安全・安心で豊かな市民生活の持続と向上に寄与してまいります。
 水道事業につきましては、和田木配水池築造工事をはじめとする老朽施設、老朽管の更新工事を推進するとともに、自己水源の活用に取り組んでまいります。なお、県営駿豆水道につきましては、引き続き三島市、函南町とともに二市一町の足並みを揃えながら、将来を見据えた事業のあり方や料金につきまして、県企業局と協議を行ってまいります。
 下水道事業につきましては、長寿命化計画に基づき、老朽化した浄水管理センター設備や管路の更新工事を進めるとともに、適切な維持管理を行ってまいります。
 温泉事業につきましては、源泉施設の整備や、老朽化した送配湯管等の改修・更新を進めつつ、効率的な運転管理と安定給湯に努めてまいります。

(7) 消防部門

 次に、消防部門についてです。
 新時代の消防体制に対応するため高機能消防指令システムと消防救急デジタル無線を最大限に活用し、消防防災活動に取り組んでまいります。
 消防力の要は人材です。若手職員の更なる知識、技術の向上のため、部内研修の充実を図り、外部派遣研修を積極的に行い世代交代に伴う人材育成に努めてまいります。
 火災予防対策につきましては、高齢者の安全確保を重点目標として、住宅用火災警報器の設置率の向上、維持管理の啓発に努めてまいります。 
 また、防火対象物への予防査察を強化し、宿泊施設の安心情報を発信するとともに、違反是正の徹底を通じ、火災の未然防止に努めてまいります。
 救急体制につきましては、人口に対して高い水準で推移する救急需要に対し、救急救命士の育成に努め、メディカルコントロール協議会との連携のもと救急業務の高度化推進へ、引き続き取り組んでまいります。
 今後とも、地域防災の要である消防団との連携強化を図り、常備、非常備消防が一体となり、地域の安全・安心の確保に努めてまいります。

(8) 教育・文化部門

 次に教育・文化部門についてです。
 AI技術等の進展で、大きく変化していくこれからの社会にあっても、皆が夢を持ち、自ら学び、自ら考え、目標に向かって生きていく人づくりを今後とも進めてまいります。
 就学前教育につきましては、昨今の保育ニーズの高まりに応えるため小規模保育事業や事業所内保育事業など地域型保育事業の活用を視野に入れ、民間保育事業者の進出を促進する施策について検討してまいります。
 学校教育につきましては、多様化、複雑化する学校関係事務などに対処し、学校現場の負担感を低減するために、学校指導主事及び幼稚園指導主事を各1名ずつ、教育委員会事務局に増員配置します。
 社会教育につきましては、多様な知識や経験を持つ地域人材の発掘・活用を図りながら学習機会の拡充に取り組み、市民の生涯学習活動の充実に努めてまいります。
 これまで社会教育施設として運営されてきた姫の沢自然の家につきましては、本年9月末をもって施設運営を終了し、平成30年度末の用途廃止に向けた作業を行ってまいります。
 文化財の保存活用につきましては、旧日向別邸を今後も国の重要文化財として公開・活用を図っていくにあたり、本年より、4年間を目途とした保存修理工事に着手してまいります。
 江戸城石垣石丁場跡につきましては、「保存活用計画」の策定に向け、有識者で組織する史跡整備委員会を立ち上げ、今後の環境整備や保存活用に関する事項についての検討を進めてまいります。
 また、(仮称)熱海文学館の開設に向け、外部の専門家を交えた設立準備委員会を設置し、杉本苑子先生のご遺志に添う文学館のあり方について検討を進めてまいります。
 図書館につきましては、図書館サービスの充実と熱海らしい図書館の運営について、引き続き図書館協議会において検討を進めてまいります。また、利用者の利便性向上に向け、図書館システムの更新を行い、電子書籍の閲覧サービスなどを開始いたします。

4.むすびに

 今こそ、オール熱海で、10年、20年先を見据えながら、持続的発展の礎づくりに取り組んでいかなければなりません。
 そのためには、市民、産業界、議会、そして行政がそれぞれ役割と責任を分かち合いながら、協働していくことが不可欠であります。
 議員各位、並びに市民の皆様におかれましては、「新生熱海」の実現に向け、特段のご理解とご協力をいただきますようお願い申し上げ、私の施政方針といたします。

平成30年2月22日

熱海市長  齊 藤  栄

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