【編集室】源頼朝の子・千鶴丸を供養 宝泉寺の檀家/子育て延命地蔵尊

熱海市上多賀の「頼朝ライン」沿いの史跡公園「頼朝の一杯水」で4月24日、子育て延命地蔵尊大祭が斎行された。祠(ほこら)を管理する宝泉寺(加藤昭二総代長)の檀家20人が参列。御詠歌を奉詠したのに続き、高杉伸道住職が読経し、源頼朝と八重姫の子・千鶴丸を供養した。参列した稲村千尋市議によれば、子育て延命地蔵には、このような秘話が伝わるという。
■838年前、頼朝、ほうほうのていで熱海へ
父源義朝が平治の乱で敗れ、頼朝は蛭ヶ小島(伊豆の国市)に20年ほど流された。そんな折り、お目付役の伊東祐親(平家)が京都に上っている間に娘の八重姫と恋仲になり、千鶴丸が生まれる。1180年、帰郷してこれを知った祐親は激怒、3歳の千鶴丸を滝に捨てた。八重姫も幽閉の身に-。
頼朝も命をねらわれ、伊東を脱出して網代から船で上多賀の赤根崎に上陸。伊豆山権現へ逃げる途中、険しい山道を登りつづけ、のどが渇ききった。水を探し回ったが、見つからない。途方に暮れて腰をおろし、刀の柄で大地を突くと、突如水が湧き出し、ぶじ伊豆山神社へ駆け込むことができた…。
ざっくりいうと「頼朝の一杯水」のいわれはこんな感じ。
■お地蔵さんの縁日にあたる4月24日に供養
同地蔵尊は、鎌倉幕府が開かれた約500年後の1693年、仏教修行僧の鉄意道心によって創建された。上多賀の宝泉寺に道心が留まった際、村人からこの悲話を聞き、「頼朝の一杯水」のほとりに小さな祠を建て、自ら彫った地蔵の石像を安置し、供養したという。
現在の祠は、1961年に建て替えられたもので今は小公園となり、千鶴丸を祀(まつ)った峠の新たな地蔵尊も安置されている。300年以上にわたり、地元の檀家によって、お地蔵さんの縁日にあたる4月24日に大祭を開き、供養を続けている。建て替えの際、初代地蔵は宝泉寺に移され、参拝者が毎月24日などに訪れ、供養するとともに五穀豊穣(ほうじょう)や家運繁盛、病気回復などを祈願している。
(熱海ネット新聞・松本洋二)





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