日本を代表する花街熱海の「熱海をどり」が4月28日、熱海芸妓見番歌舞練場で始まった。29回目の今年の演目は常磐津「東都獅子(あづまじし)」と端唄・俗曲「積雪慕恋容(つのるおもいやこいすがた)」で、地方を含め芸妓衆27人がこの一年の修練の成果を披露した。出演者全員によるフィナーレの「三下(さんさ)がり甚句」を終えると、西川千鶴子組合長(松千代さん)が「熱海をどりは今年で29回を数え、来年は節目の30回目。これだけ長く続けられたのは、皆様に支えていただいたからこそ。芸妓一同ますます精進して稽古に励みます」とあいさつし、全員で三本締めを響かせた。29日も午前と午後に開催され、2日間4公演で約1000人が来場する。両日とも午前11時30分と午後2時30分の開演。当日券も若干ある。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
■齊藤栄市長の話 明治維新のあと、温泉があり、気候もいい熱海に政財界の要人や皇室の方々が集まり始めた。そういう方々はたしなみに唄を習うことが多く、遊芸師に稽古を授けてもらった。その遊芸師匠の当時の代表格が坂東三代吉でのちの熱海芸妓の第一号。その後、明治、大正、昭和、平成と芸妓文化が発展して今日に至っている。熱海をどりは芸妓衆の厳しい稽古、修練の一年の集大成の日。ぜひとも熱海芸妓衆の舞台を堪能していただきたい。
■熱海をどり 熱海芸妓見番の大改修(1990年)を記念してスタート。熱海芸妓衆が年に2日(4月28、29日)開催する熱海のGW看板イベント。入場料は一般席4千円、桟敷席1万5千円。
■主催 熱海芸妓置屋連合組合☎0557-81-3575
常磐津「東都獅子(あづまじし)」は、1907年(明治40年)に新橋の東をどりの舞踏曲として発表された上品で優雅な作品。宏紀、美華、小夏の3人が優雅に舞った。
端唄・俗曲「積雪慕恋容(つのるおもいやこいすがた)」は、雪を題材に構成。第1章「雪景色の女」は六花・小米雪、玉雪、綿雪、花びら雪、淡雪、風雪、細雪、雪花、深雪、つもる雪…雪にこめた女心、恋する人をい慕う心の風情を表現。
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