熱海市の伊豆山神社の弊社「走り湯神社」で5月14日、例祭が斎行された。伊豆山神社の原嘉孝宮司と大鳥居素禰宜が神事を執り行い、走り湯温泉組合、伊豆山温泉組合の代表、ホテル旅館関係者、氏子、崇拝者ら20人が参列し、伊豆山温泉の元湯「走り湯」の長久を祈った。
走り湯前で行われた「湯汲(くみ)式」では、原宮司が湯煙が上がる走り湯の洞窟前の湯だまりから長いひしゃくで沸き出る温泉をくみ上げ、源泉の上にある「走り湯神社」にお湯を捧げ、泉脈が絶えることなく伊豆山温泉の繁栄が続くことを祈願。参列者は持ち寄ったたるやペットボトルなどに温泉を分け入れ、それぞれ旅館やホテル、自宅に持ち帰り、風呂に入れたり、神棚に供えたりした。
■愛媛・道後温泉、兵庫・有馬温泉とともに日本三大古泉
走り湯は、約1300年前(奈良時代)に修験道の行者に発見されたと伝えられ、全国でも珍しい横穴の洞窟の中で温泉が吹き出す間欠泉。山中から噴き出した湯が海岸に飛ぶように走り落ちる様からこの名が付いた。鎌倉時代の正史「吾妻鏡」には愛媛の道後温泉、兵庫の有馬温泉とともに日本三大古泉として紹介されている。現在も走り湯の洞窟へ流れる「いぬの湯」は73度で毎分170リットル、「うまの湯」は72度で毎分150リットル湧出している。
走り湯の守護神である同神社も古い歴史を持ち、平安時代の歌謡に「東国第一の霊場」と歌われている。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
■主な参列者 大舘節生(伊豆山神社総代会長)、平川康(走り湯温泉組合長)、松本義広(伊豆山温泉組合長)、高橋幸雄(市議)、中川勝仁(伊豆山温泉旅館組合長)、牧野文弘(伊豆山温泉観光協会会長)、中田正美(伊豆山神社責任役員)、伊豆山温泉の各ホテル・旅館、岩本佳之(岩本建築部代表取締役)
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