警視庁、佃弘巳前伊東市長を収賄容疑で本格捜査 ホテル跡地売買で1千万円

伊東市が2015年に購入した伊東マンダリン岡本ホテル跡地の売買を巡り、当時現職だった佃弘巳前市長(71)が便宜を図った見返りに不動産業者から現金約1千万円を受け取った疑いが強まったとして、警視庁が収賄などの疑いで本格捜査していることが分かった。6月14日、共同通信など複数のメディアが報じた。
情報を総合すると、土地は2010年に廃業した伊東マンダリン岡本ホテル(旧熱海岡本ホテルグループ) の跡地で、14年に伊東市内の不動産会社が競売で取得。建物を解体して更地にした後、市が15年市議会6月定例会で同跡地購入費に2億1000万円の補正予算案を計上。市は同年7月に図書館を併設した生涯学習センターを建設するなどとして約4千平方メートルの土地を2億500万円で購入した。その際、議会側から「高いのでは」と指摘され、500万円を値引きさせている。購入に当たっては佃前市長が「(跡地を所有する)建設会社が市に売ってもいいと言っている」と市幹部に調査を指示したという。
しかし、購入したものの建設計画は進んでおらず、現在は駐車場として利用されている。伊東市議会では、これまでも「取得理由が後付けになっている。購入が目的の不透明な取引」と指摘してきた。佃氏は6月13日、取材陣に「ホテル跡地の情報を提供してきた知り合いの不動産業者に10年前に約2千万円貸していた。業者から受け取ったのは2千万円に対する返済金」と話している。
警視庁は今年初めより、捜査に着手。市が購入するのを前提に不動産会社が土地を取得し、その一部が流れたとみて、4月下旬からは佃氏および秘書などから事情聴取してきた。一時は「時効成立」という情報が流れたが、警視庁が本格捜査に踏み切った。
佃氏は県議を経て2005年の市長選に出馬し、初当選。3期12年市長を務めたが、昨年5月の市長選には立候補せず、退任していた。
(熱海ネット新聞・松本洋二)

 

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