熱海市網代の阿治古神社例大祭・御神幸行列が7月20日挙行され、しんがりで神輿(みこし)に代わる御神船「両宮丸」が巡行した。通行止め規制が敷かれた国道135号では3年ぶりに”網代ひもの銀座”を駆け抜け、漁師街の男気を示した。
この渡御は豊臣秀吉の小田原攻めに加わった地元の漁師たちが、戦勝祝いとして始めたとされ、豊漁と無病息災を祈願する。御神船には秀吉公から拝領したと伝わる流れびょうたん模様の布が巻かれている。
今年も400年続く伝統の「流れひょうたん」衣装に身を包んだ若衆たちが「ヤーヤー」の掛け声とともに長さ約12メートル、重さ2トンの御神船を勇壮に引きまわし、住宅地の中の狭いカーブでは、一旦停止した後、「小早唄(こはやうた)」に続いて片町南町の男集が梃子(てこ)棒を巧みに操りながら「両宮丸」の向きを変えて道を突き進んだ。
網代は江戸時代には「京・大阪に江戸・網代」と呼ばれたほどの漁業の地として知られ、「風待ちの港」として重宝された。当時を彷彿させる勇壮な祭りを市民や観光客が真剣に見守った。
神幸所(宮町会館前)での神事でも、祝詞奏上などに続いて浦安の舞、鹿島踊りが奉納された。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
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