台風12号、初島にも大きな爪痕 被災現場レポート/熱海ネット新聞


28日夜に熱海市を襲った東から西へ進んだ異例の台風12号の高波の影響で、熱海市初島で定期船が発着する初島第一漁港の堤防通路の一部や食堂街で被害が出た。7月30日、熱海ネット新聞が現地を取材してきた。
■食堂街へ向かう堤防の通路が陥没
富士急マリンリゾートの定期船を降りると目に飛び込んできたのが、食堂街へ向かう堤防の通路に当たる部分のコンクリートの陥没。約90平方メートルにわたってはがれ、穴が開いている。橋のような構造になっており、蓋の(ふた)部分が下からの海水に押し上げられ、崩壊したという。壊れたコンクリートは大きな塊のまま、船着き場の海中に吹き飛ばされた。
この通路が使えないことから、乗降客は整備中の交流広場(定期船の待合所などが入る施設)の東側の防波堤通路を迂回する形で使用している。しかし、これまで定期船の近くまで入ってこれた輸送用の自動車が通れず、繁忙期の島の流通に支障がでている。
■現在営業しているのは3店、1-2週間で全店再開へ
人気観光スポットの初島港そばに立ち並ぶ約10軒の食堂の破損も激しい。高波と大潮が重なり、水位が防潮堤を超え、食堂街前の道路に流れ込んだ。8軒の店が浸水被害にあい、ドアが海水の浸入を守ってくれた店はドアやシャッターがどっと押し寄せた海水や吹き飛んだ側溝の溝蓋などで大きく破損。この日、営業できたのは3店だけだった。奥へいくほど被害が大きかったが、もっとも奥にある「活魚料理さかや」はすぐ先の初島ダイビングセンター前の石の小山が波を吸収。大きな被害がなく営業を続けている。被災店は修繕作業を急ピッチで進めているが、資材の調達もあり、営業再開には1~2週間かかるという。
■異例の東から西へ進む台風で大波が直撃
被害を大きくさせたのは東から西へ進路をとった異例の台風コースだ。「食事処うえの」の萩原利美さんは「初島の場合、通常の台風は西から来て、島の反対側を大波が襲う。今回のような東からのコースは記憶にない。整備中の交流広場に波が当たり、手前の食堂街付近の水位を上げる形となったのでは」と分析。台風が去った29日は建物の破片や流木などで食堂街一帯ががれきの山となったが、「初島アイランドリゾートで働く若者たちが、除去作業を手伝ってくれ、食堂街一帯がご覧のようにきれいになった。感謝している」と話した。
店内の畳を乾かす作業をしていた「磯料理みやした」の宮下泉さんは「今回の台風は物や建物の損傷で済んだのが救い。問題は海。驚くほど澄んできれいに見えるが、大波が海底の藻などを根こそぎ持って行ってしまった。この生態系の変化が漁に影響しないか心配」と懸念する。
■小森市議や勝俣孝明衆院議員が視察に
定期船の運航をはじめ、エグシブ初島クラブなどの宿泊施設、観光施設は通常通り営業している。取材時には小森高正市議が被災の聞き取り調査をおこなっていた。また勝俣孝明衆院議員や自民党の市議団も視察に訪れ、国土交通省や水産庁へ復旧補助を働きかけるという。
(熱海ネット新聞・松本洋二)


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