【市政】市消防の第1次派遣隊が帰隊報告 御嶽山で行方不明者1名を搬送

御嶽山の噴火災害で救助活動に従事した熱海市緊急消防救助隊の1次派遣隊7人が9日、6日間(10月3日~8日)の任務を終えて熱海市に戻り、9日午後、市消防庁舎車庫で土屋千秋消防長に帰隊を、斉藤栄市長に派遣活動を報告した。併せて静岡県の6次派遣隊に加わる市緊急消防救助隊の2次派遣隊7人の出発式も行われた。
杉野巧派遣隊長以下7人の1次派遣隊は、県緊急消防援助隊の第3次派遣隊として長野県木曽郡王滝村を拠点に、標高2000mを超える山岳地で有毒ガスによる危険があるなか、東京消防庁、警察及び自衛隊と協力し、要救助者の救出活動を実施した。派遣2日目の4日には天候不良のため、自衛隊ヘリが使えず、午前9時にゴーグルとマスクを付けて御嶽山7合目の田の原登山口を出発し、約2時間かけて王滝山の9合目まで登った。ここで先遣隊が3名の心肺停止の行方不明者を発見、その内の1人を約6時間かけて登山道入り口まで搬送したが、死亡が確認されたという。

「8号目を超えると急斜面の上に雨を吸った火山灰がひどく、一歩進むごとに膝もとまで埋まる状況でした。下りは危険な個所がいくつもあり、24人の隊員がそれぞれの任務を交代しながら搬送した。結果的に命を助けられなかったが、今回の人命救助の経験を今後の任務にいかしたい」と中村幸揮小隊長は振り返る。台風18号接近に伴う悪天候で5日と6日は捜索活動が中止。7日は午前5時20分に八海山荘を出発し、自衛隊ヘリで御嶽山の山頂まで登り、同7時45分~午後2時まで捜索活動を行い、下山した。

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◇熱海市消防第1次派遣隊 ▽隊長=杉野巧▽小隊長=中村幸揮▽隊員=岡田真人、矢野瑛洋、菅野格太▽後方支援小隊長=五十嵐龍彦▽隊員=釜田貢徳

 

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第1次派遣隊の帰隊に伴い、市消防本部は第2次派遣隊を結成し、土屋消防長が中村治貴派遣隊長に出動を命令。斉藤市長が第1派遣隊の無事帰還を労うとともに「今回の噴火は平成3年の雲仙・普賢岳(長崎)を上回る、戦後最大の規模。現場はまだ予断を許さない状況が続いており、安全面に万全を期して任務を遂行し、無事に帰ってくることを祈っている」と2次派遣隊を激励した。決算特別委員会を開催していた熱海市議会も審議を中断し、全議員が激励に訪れた。

◇同第2次派遣隊 ▽隊長=中村治貴▽小隊長=小原典之▽隊員=湊義和、矢代興大、寺川正俊▽後方支援隊小隊長=川口伸洋▽隊員=谷口淳一
◇派遣期間(予定) 10月13日~17日

 

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