【編集室】色づいた紅葉を一般公開 植物研究園

熱海市相の原町の新技術開発財団・植物研究園(猪狩直人園長)で25日、紅葉の見ごろに合わせた「秋の一般公開」が始まった。小雨が降り続く中、この日の公開を心待ちしていた市民や観光客が訪れ、傘を手に真っ赤に色づいた園内のカエデ類を観賞したり、同園を管理する星野秀大さんから説明を受けたりして楽しんだ。
1万2270平方メートルの敷地におよそ110種の樹木と200種以上の草花が植えられている同園では、四季を通じて全国の大学教授や研究者が訪れ、植物の生態を研究している。草木の機微な変化で地震を予知したり、マングローブ植物を利用してアフリカの砂漠の緑地化をはかるなど、地球規模で緑を守る環境づくりに取り組んでいる。
毎年4月の科学技術週間に合わせた「春の公開」に限って一般公開してきたが、昨年から「秋の公開」も始めた。1年に春と秋に各1週間しか公開しないのは貴重な植物と環境保護のためという。自然に囲まれた熱海梅園の紅葉もいいが、せせらぎや池を配置し、計算された庭園を彩る紅葉も美しい。精魂こめて育てられた色づいたセンリョウ、マンリョウ、ナンテン、ツワブキなどとの共演も他では観ることができない。
案内をしてくれた星野さんは現役時代、リコー所属のロードレース(自転車)ヒルクライムの第一人者。数多くのトライアスロン大会でも活躍してきた。その話を聞くだけでも訪れる価値はある。
(編集主幹・松本洋二)

◇植物研究園 リコー三愛グループ創始者の故市村清・ユキエ夫妻の別荘「清恵荘」を改修して平成3年に開園。樹木やせせらぎを自然のままに生かし池や梅林などが巧みに配された約1万2000平方メートルの園内には、200種以上の草花が植えられている。
◇秋の一般公開 11月25日~30日まで。午前9時〜午後4時。入場は無料。JR熱海駅「梅園・相の原団地方面」行きのバスで「上相の原」下車。
◇問い合わせ 0557(81)2656へ。

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