熱海市議会6月定例会の観光建設公営企業委員会が6月19日、市役所で開かれ、市営渚駐車場で来月開始予定の「渚キャンピングロット」事業で、渚町の住人が猛反対している問題を重く見た田中秀宝委員長が市当局に説明を求めた。森本要副市長は「厳しい意見をいただいたのは承知している」とした上で「事業の内容やご意見、懸念などを整理し、事業者とも相談していったん仕切り直しさせていただく」と述べた。続けて「反対しているのは事業者の声が多く、地域住民の皆様にも丁寧に説明し、意見をお聞きたい」と述べ、計画の推進に前向きな考えを示した。
副市長によれば、今回の事業は公共空間の有効利用が目的で、渚駐車場は8月の繁忙期でも稼働率が低く、平日は数台の利用者しかない。22台あるスペースの13台分をつぶして民間事業者に貸し出し、残り9台にしてもあまり影響はないという。
この計画は昨年度の「熱海リノベーションまちづくり」検討委員会で市と市民有志がまちづくりを話し合い、3月11日にまとめた25あるプロジェクトの一つ。駐車場の一部に芝生を張って広場化し、数台のキャンピングカーを置き、イベント開催や宿泊所にすることで人の流れを作る社会実験。副市長は事業者へ協力を約束したことに対し「空きスペースを利用して地域のにぎわいを生んでいくというプロジェクトの発想に問題はなく、いろんな旅行形態が増えている中で検討に値すると判断した」などと話した。
これに対し、田中委員長から「市が進める熱海リノベーションまちづくり・2030年会議は、議会と協調性がなく、独立してまちづくりを提案し、温度差を感じる。こういう市民に関心の深い事業は、前もって議会に報告してほしい」と注文を付けた。
渚町の住民事情に詳しい高橋幸雄議員も「これだけの地域住民の反対があって、この事業が進むとは思えない。あの場所は市の中央にあり、利用度が高い駐車場。もうちょっと慎重に場所を選定すべきだった」と苦言を呈した。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
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