
静岡県で唯一の有人島である熱海市初島の初木神社(原口尚文宮司)の例大祭が18日、厳かに斎行された。本殿で原口宮司による祝詞奏上、関係者の玉ぐし奉てんの神事が続けられる中、境内の一角では白装束の男衆が鹿島踊りを奉納した。その後、「御下り」と呼ばれる御神幸行列が同神社を出発。踊りながら粛々と移動する鹿島踊りを先頭に宮神輿や獅子、神職者らが浜に下り、神事を斎行。陣形を円形から四角形に形を変えながら舞う独特の鹿島踊りを披露、観衆を魅了した。午後は逆に「御上り」と呼ばれ行列が同神社に戻り、還御祭を行った。
例大祭は40年ほど前まで島民の成人男性だけで続けていたが、現在では担い手が減ったため女性や子供も加わっている。
この神事は、一年でもっとも大きな島のイベントとされ、この日は名物の食堂街をはじめ、初島漁協スーパーや直売所もすべて休業。202人の全島民が粛々と天下太平と大漁満足を願った。
◆初木神社 1351年に創建。かつて伊豆沖で遭難し初島に漂着した「初木姫」を祭っている。
◆表彰 神事を前に市教育委員会は、無形民俗文化財永年勤続者表彰を行い、同神社鹿島踊り保存会会員の山本浩平さん(34)と木村哲治さん(35)の2人に斉藤栄市長から10年勤続の表彰譲とメダルが贈られた。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。