【編集室】ロケ支援のカリスマ市職員、怒りのFacebook休止宣言 何が?

熱海市のカリスマ職員として全国的に知られ、ロケ支援事業「ADさん、いらっしゃい!」を1人で担当する市観光経済課メディア戦略担当職員が、自身の6月23日のFacebookで「投稿やいいね!を休止する」と宣言し、波紋を呼んでいる。理由については「某局のドラマ担当のだらしない対応に振り回され、いささか考えようと思います」。「今後は、ドラマと映画のお話しがきましたら、近隣の市町様を全力でオススメいたします」とつづっている。
その上で「ロケがなくても、観光保養地としてのポテンシャルの高さ、市民皆様のホスピタリティーにより、熱海市が未来永劫に繁栄しますよう、時間外勤務や残業代でご指摘を受けない新たな企画にシフトしてまいりたいと考えております。まだ、事業自体をなくす(または休止)するわけではございませんが、終わりに、「ADさん、いらっしゃい!」を始めて丸5年間の結果をお知らせし、ご挨拶に代えさせていただきます」と休筆を宣言-。

H24年度➡情報バラエティー49本
映画4本、ドラマ9本
計62本
H25年度➡情報バラエティー56本
映画2本、ドラマ9本
計67本
H26年度➡情報バラエティー83本
映画18本、ドラマ10本
計111本
H27年度➡情報バラエティー71本
映画19本、ドラマ20本
計110本
H28年度➡情報バラエティー95本
映画7本、ドラマ12本
計114本
追記 時間外勤務(残業代が発生しない自宅
で深夜電話やメールの対応も含む。)は、
映画とドラマのロケ本数に直接影響され、
映画とドラマのロケは、事業をやる限り
質の良し悪し関係なく、お引き合いが
入ってきます。操作をしているものでは
ございません。
“首都に愛を・・・” (原文ママ)

同職員をめぐっては、市議会2月定例会で、残業時間が年間1100時間、最大月で160時間あった勤務体制が指摘され、齊藤栄市長が「1人の職員がこれだけの残業をしていることは精神的、肉体的に負担が大きい。チームで仕事を行うなどして労働条件の改善を図る」と答弁。しかし、年度が変わっても業務体制が変わっていないことから、6月20日の市議会6月定例会の総務福祉教育委員会で米山秀夫氏が「「言行不一致。検討ばかりで、3カ月たっても何もやっていない。こういうことは上からのトップダウンで配置転換しないと解決しない」と強く改善を求めていた。
(熱海ネット新聞・松本洋二)


市議会6月定例会の総務福祉教育委員会

6月20日の市議会6月定例会の総務福祉教育委員会で、ロケ支援事業「ADさん、いらっしゃい!」を1人で担当する市観光経済課メディア戦略担当職員(51)の勤務体制があらためて問題になった。今年の2月定例会で、残業時間が年間1100時間、最大月で160時間あったこの職員の勤務体制が指摘され、齊藤栄市長は「1人の職員がこれだけの残業をしていることは精神的、肉体的に負担が大きい。チームで仕事を行うなどして労働条件の改善を図る」と答弁していた。
米山秀夫氏が、2月定例会に続いて、この問題を取り上げ、3カ月たったが現在の進捗状況を質した。市当局が「業務体制は変わっていない」と答弁したのに続き、市長が「一人の職員が大きな労働条件を負っているのは大変問題という認識は2月定例会で答弁した通り。現在、メディアプロモーションについてさらに発展させるべく考えで、チームでやる場合、どのように編成するか検討している。体制として補助要員を付けているわけではないが、議論を踏まえてしっかいとやっていく」と話した。
米山氏は「言行不一致。検討ばかりで、3カ月たっても何もやっていない。こういうことは上からのトップダウンで配置転換しないと解決しない。公務員が同じ仕事をしていると心配事が出てくる。いいにつけ、悪いにつけ、市民からいろんな声が聞こえてきている」と改善を求めた。

また米山氏は、この職員が自身のSNSで、「ロケ支援事業の時間外勤務が多いというごく一部の新聞の報道が、熱海ロケの敬遠という方向につながっている」「時間外手当のことより、もっと重要なことは、熱海市というネーミングのイメージアップ」「熱海市が箱根のようにお客様を裏切らない観光地、保養地としての確固たるイメージ、“憧れ”を末永く確立できたなら、いつ死んでも本望」などと投稿していることも問題視。「新聞は、議会で取り上げられた問題が社会性があると考え、ニュースとして報じた。そのことでロケが敬遠されている、と論じるのは報道機関に大変失礼な話だ。職員は熱海のイメージアップのためなら死んでも本望、とも書いているが、そういう表現こそが熱海のイメージを損なっている。(ロケ支援事業を1人担当で続けることは)市長が、熱海市のまちさえよくなれば、職員の命はどうなってもいいと言っているに等しい。市は職員が死んでもいいと考えているのか」と再度質した。
これに対し、当局が「職員一人、ひとりは財産。職員の心身の健康、労働環境は大切で絶対に死ぬということがあってはいけないこと」と答弁。米山氏は「それでも改善しないのが理解できない、その職員がけがをしたり、インフルエンザにかかったり、退職したらそれでアウト。その人でしか本当にできない仕事なのか?後継者を育てる意味でも早急に改善が必要」と強く求めた。
(熱海ネット新聞・松本洋二)

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