
女流篠笛(しのぶえ)奏者5人が篠笛を学んでいる人の演奏技術を上達させようと、南熱海マリンホールで2泊3日の「篠笛ワークショップ合宿」を開いた。最終日の29日は参加した55人に修了証書を贈り、指導にあたったプロ奏者5人がサプライズゲストの和太鼓奏者・内藤哲郎さんとともに篠笛日和のテーマ曲を各パートに別れて合同合奏。心地よい笛の音がホール一杯に響き渡った。
合宿は地元の和太鼓演奏グループ「豆州網代太鼓」で笛を担当する森野淳さんが、「熱海の誘客につなげたい」と奔走して実現した。昨年、実験的にミニ合宿を開き、「週1回練習しても演奏を披露できるには約半年かかる。それがまとめてけいこができた」と好評だったことから、東京・千葉を中心に「篠笛」を指導している「篠笛日和」を招き、開催にこぎつけた。
初心者向けの練習から、各講師陣が得意とするテクニック講習、一つの曲を仕上げる講習など様々な時間帯を設け、講習は全て選択制。網代温泉の「源泉の宿ホテル松風苑」に宿泊しながら、南熱海マリンホールで技術を学んだ。地元の篠笛教室に通う人やいつもは太鼓の演奏を担当している人が多く、宿舎では参加者同士が情報を交換、交流を深めた。
篠笛の総合集中合宿は日本初の試みだったが、定員を超える愛好家が全国から参加した。温泉と地元の漁師料理に加えて28日夜は網代温泉観光協会の協力で熱海海上花火大会を特別席で鑑賞。伝統音楽をキーワードとした夏合宿が南熱海の誘客に新風を吹き込んだ。
◆篠笛(しのぶえ) 日本の伝統楽器の一つ。篠竹に歌口と指孔を開け、漆ないしは合成樹脂を管の内面に塗った簡素な構造の横笛。「笛」や「竹笛」とも呼ばれる。長唄や民謡、唱歌などを演奏する「唄笛」と祭りで使う「囃子笛」がある。
◆女流指導者 朱鷺たたら、山田路子、小泉なおみ、武田朋子、松尾慧
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