
晩年を熱海で過ごした小説家坪内逍遥の功績をしのぶ法要が28日、熱海市水口町の海蔵寺で営まれ、早大関係者や熱海稲門会会員らが参列した。
法要は毎年、命日の2月28日に開かれる「逍遥忌記念祭」の後に同寺で営まれ、82回忌となる今年も馬場峰俊住職が読経を捧げ、参列者が墓石の前に立ち、手を合わせて焼香した。
45回目となる「逍遥忌記念祭」は起雲閣音楽サロンで開かれ、斉藤栄市長、西島幹人熱海稲門会(早稲田大学OB会)会長、岡室美奈子早大坪内博士記念演劇博物館館長がお慕いのことばを奉読した。杉山利勝市議会議長、藤曲敬宏県議のあいさつに続いて、坪内逍遥のうた保存会が「世界の公園」「小蓬莱」などを披露し、出席者全員で逍遥が作詞した「熱海市歌」を斉唱した。
記念講演では児玉竜一早大文学学術院教授が「坪内逍遥と大坂冬の陣・夏の陣」をテーマに話し、熱海稲門会幹事長の内田宗一郎さんがお礼の言葉を述べ、古屋旅館が所蔵する逍遥が双柿舎で熱海を詠んだ直筆の歌「ちかき山 ゆきはふれれと 常春日 あたみのさとに ゆけたちわたる」の書を披露した。この歌は糸川遊歩道の坪内逍遥の歌碑でも知られる。おいの娘で女優の坪内ミキ子さんも出席した。
この日は逍遥の熱海の住居「双柿舎(そうししゃ)」も開館され、多くの逍遥ファンや早大関係者が訪れた。
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