熱海聚楽ホテル森田金清社長、学会誌に学術論文 日本観光研究学会が掲載

熱海市観光協会前会長で「月の栖 熱海聚楽ホテル」社長の森田金清氏が書き上げた査読付き学術論文がこのほど、日本観光学会の機関誌に掲載された。タイトルは「訪日中国人観光客の観光需要に関わる経済要因についてー所得弾力性の視点を中心にー」。政府のインバウンド政策で、訪日外国人が2019年には3188万人に増え、そのうち中国からの観光客が959万人を占めている。近年、急激に増えた中国人旅行者の消費行動などをマクロ的経済データを用いて論理的にまとめた。
森田氏は早大文学部卒業後、米コーネル大学大学院のホテル経営学部で修士号(MPS)を取得。家業を継ぐ一方で市観光協会の発展に尽力し、退任後は早稲田大学政治経済学部大学院公共経営研究科で講師に就き、東京経営短期大学の客員教授も務めている。
現在は国立和歌山大学大学院観光学研究科博士後期課程に籍を置き、足立基浩和歌山大学教授、藤井浩司早稲田大学学術院教授の指導を仰ぎながら、現役ホテル経営者の視点で日本の観光を分析し、発表した。

熱海を含む日本の観光は、新型コロナウイルスの感染拡大で甚大な打撃を受けており、「今後、訪日観光需要がどのように変動するのかは観光復興の大きな鍵となる」と森田氏は執筆意図を説明。政府がインバウンドの需要落ち込み対策から、収束後に17兆円かけて国内の人の流れや街のにぎわいを創出し、地域活性化を図る官民一体のキャンペーン『Go Toキャンペーン』を予定していることを踏まえ、「戦後最大の経済危機を迎えているこの時期に、価値ある学会誌に掲載されたのは身に余る光栄。この論文が地域の観光に携わる人たちの一助になれば幸い」と話した。
(熱海ネット新聞)

■日本観光学会 観光及び観光事業に関する学術の進歩・普及を目的として昭和35年(1960年)に設立。大学、短期大学、専門学校、高等学校、官公庁、民間研究機関、観光事業等に所属している観光研究者250人で構成。本部事務局は神奈川・相模原市の青学大相模原キャンパスに置く。

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