熱海市議会6月定例会の一般質問で斉藤栄市長が温める副市長の後任人事に、自民党議員団の高橋幸雄氏が反発した。市長は田辺国治副市長の後任に国家公務員をあてるとし、26日の議会運営委員会で説明したのち、今議会最終日の29日に追加上程する方針。これに対し、高橋氏は「地方創生には、市長がまず動く。陳情もまた市長。県に行くのも市長。副市長はその留守をサポートするのが役目」とし、地方創生を理由に国から副市長を起用する市長方針に反論。議会内には市職員、OBの副市長登用を期待する声もあり、難航が予想される。
「副市長に関する質疑」を全文掲載
◆質問 高橋議員=22日・市議会議場
今定例会に追加上程される予定の副市長の選任についてお尋ねします。副市長の選任については、熱海市も従前の助役(2人)から副市長(1人)に条例を改正した。現在まで、2名の副市長が就任し、平成23年からは田辺副市長が丸4年にわたり、熱海市の発展のためにご尽力いただいた。副市長の役割については、市長の命を受けて、政策や企画をつかさどり、職員が担当する事務を監督すること。市長に事故があった場合、その政務を代行したり、さらには議会との調整を図る重要な立場にある。そこで尋ねるが、副市長の選任について追加上程するため、26日の議会運営委員会で説明すると聞いているが、ここまで遅くなった理由は。どのような方なのか。
◆市長
国の機関に対して私自身が調整をお願いしてきた。この時期まで候補者を確定できなかったのは、先方から内々の回答があったのが6月に入ってからで、具体的な個人名の提示はその後だった。このようなことから候補者の確定が遅くなり、ご理解をいただきたい。
候補者については26日の議会運営委員会で提示させていただくが、議会の皆様にも十分に納得いただける方だと認識している。今後、議会の皆様には丁寧に説明させていただく。
◆質問
国の機関ということは、今回も国家公務員の方を選任されると思うが、参考までに近隣8市町の副市長を調べてみたが、大部分が元市職員や県職員。1市だけ国家公務員があるが、ここは定数2でもう一人は元市職員。本市の様々な課題や市政に精通している即戦力としての市職員を登用する考えはなかったのか。
◆市長
いろんな選択肢があるが、今回、国からとしたのは現在、国による地方創生の流れが強くなっているからだ。本市の重大な課題である地域経済の再生についても、中小企業や小規模事業者の支援といった施策が際立っており、国との連携強化が大切。田辺副市長の4年間の実績を鑑みても引き続き、将来のわが国をけん引するであろう方に力をお貸しいただきたいと考えた。
◆質問
副市長を必要とする理由は。平成22年10月28日から23年6月末まで副市長不在の期間があったが、その期間に市政運営に不足はあったか。
◆市長
特別な不備や不足はなかったが、長期の不在で私も含め、幹部職員も厳しい状況にあった。
◆質問
副市長は市政に影響を及ぼすきわめて大事な人事。選ぶ理由に地方創生を挙げた挙げたが、それは。
◆市長
壇上で答えたように、地方創生の流れの中で敏感にそれを受け入れ、また国との連携を強化するためだ。この方向で議会に提示したいと考えている。
◆質問
地方創世のために国の機関から副市長をお願いしたいとのことだが、その連携強化は市長のやることではないのか。市長がまず動く。陳情もまた市長。県に行くのも市長。副市長はその留守をサポートする。だから今回副市長を国から呼んでくる明確な理由にはならないと思う。
副市長の選任は議会に上程し、同意を得なければならないと地方自治法に明記されている。それがわかっていながら、直前の上程となった。2月定例会が3月13日に終了し、約2カ月あった。6月定例会の日程も決まっていた。6月に打診があったと言われたが、それまでになぜもっと早く市長からそういうところに要請をしなかったのか。市民も心配している。
本来なら会期の冒頭に提案し、一般質問を行い、納得のいく形で同意をするといった丁重な選任を期待していただけに大変残念。選任される方も、1週間で決められたのでは失礼ではないか。
最後に4年間、ご尽力された田辺副市長にお尋ねしたい。熱海の最大の課題、問題点を端的に。
◆田辺副市長
これから30年後、将来を見据えるとやはり人口減少。人口を増やすのは本当に難しい。その努力を最大限にすること。併せて人口減少に対応できるまちづくりをしていくこと。この2つが課題だと思う。
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