
文学と朗読の会「天海市(てんかいち)」(宮崎淳一代表)は11月23日、起雲閣音楽サロンで朗読会を開いた。4年ぶりの開催で今回は同会の最年長会員・山口宝子さん(91)の卒寿のお祝いを兼ねて開いた。
会員が源氏物語や平家物語の古典や女優・高峰秀子さんのエッセイなどを次々に朗読。山口さんは舞台上のいすに座り、ジャズピアニスト爪生利典さんが弾くピアノ演奏が流れる中、静かにノートを開いて小説「野菊の墓」(伊藤佐千夫)を感情豊かに朗読した。
市内水口町に住む山口さんは奇しくも同じ町内の日本最高齢市議、山田治雄さんと同じ昭和2年生まれ。40年前に熱海のリゾートマンションを購入し、都内の自宅と熱海の別荘を夫妻行き交っていたが、熱海に移住。13年ほど前に夫を亡くしてから趣味で朗読を始めたという。
「山田先生とは、直接話しをしたことはないのですが、講演会でお話しを伺ったおり、肌のハリ、元気なお声。私も頑張ろうと大変元気をいただきました」と謙遜する山口さんだが、同会を主宰する宮崎さんは「90歳を超えてこの張りのある声は驚異的」と脱帽。その秘訣を「(山口さんは)中島飛行機に学徒動員され、娘時代に大好きな国語ができなかった。娘時代を取り戻そう朗読に情熱を注いでおられるのです」と明かした。
同会は、宮崎さんが2011年から行っている朗読会で、市内外の愛好家が市役所いきいきプラザで定期的に活動。毎週木曜午後7時半からのFM熱海湯河原「遥かなる旅路・空麦秋劇場」でも朗読を披露している。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
山口宝子さんの朗読「野菊の墓」
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