
熱海市相の原町の市村清新技術財団・植物研究園の「春の一般公開」が4月24日で終了した。環境庁が絶滅危惧2類(絶滅の危機が増大している種)に指定しているクマガイソウが一番美しい時期を迎え、訪れた人目を楽しませていた。ラン科の多年草で、花の袋状の唇弁を平家物語に登場する熊谷次郎直実の母衣(ほろ=矢を防ぐ武具)に見立てて名付けられた。山野草ブームで自生のものは激減し、希少価値がある。
絶滅が心配されているヤマシャクヤクや伊豆固有種のアマギシャクナゲも見ごろで、春に紅葉する珍しいノムラカエデカエデが彩りを添えている。
標高277~310メートル、約1万2270平方メートルの園内には渓流が流れ、400種以上の樹木や草花、苔類等が植物生態系を構成。眼下の相模湾には初島、伊豆大島が望め、周囲を山や木々に囲まれている。庭園は樹木やせせらぎを自然のまま活かし、池や庭石などを巧みに配した日本庭園。春の一般公開は毎年、科学技術週間にあわせて開催している。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
■植物研究園 リコー三愛グループ創始者の故市村清・ユキエ夫妻の別荘「清恵荘」を改修して1991年(平成3年)に開園。通常は大学などの研究拠点のため非公開だが、新緑と花の咲き誇る春と紅葉が美しい秋の2回、一般に無料で公開。
■アクセス JR熱海駅「梅園・相の原団地方面」行きのバスで「上相の原」下車。午前9時〜午後3時30分。入場無料。熱海市相の原町11の8。問い合わせは0557-81-2656(同園)へ
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