
前回の映画祭における実行委員会の債務発覚で熱海市が「関わらない」ことを決め、開催が危ぶまれていた「第2回熱海国際映画祭」が6月28日、開幕した。オープニングセレモニーでは、起雲閣の駐車場側入り口に赤いカーペットが敷かれ、女優で映画監督、今回の熱海国際映画祭で審査員を務める桃井かおりさんや出品した国内外の関係者が歩き、会場は華やかな雰囲気に包まれた。
コンペティション担当のマイク・ロジャース氏にエスコートされて、黒のドレスで登場した桃井さんは「私たちお金のない、宣伝費を使えない映画をつくるクリエイターにとって、映画祭は唯一、チャンスをつかめる場所。インディーズの映画をコツコツ作った人が映画祭でチャンスをつかんで、育っていくというのを何度も見ている。映画祭が開催されて本当に良かったと思う。映画文化を絶やさないで」と熱く訴えた。
2回目の開催に漕ぎ着ける過程で、この1カ月、予定通り開催から市と実行委員会の分立開催、中止、東京開催案などが浮上し、すったもんだが続いたことには「国内外で14回、いろいろ映画祭を見てきたが、悠々やっているところはどこもない。ベルリン、カンヌも含めてどこも大変。だからあまりびっくりしない。熱海も2回目を突破できたのだから、これを3回目、4回目と続けていけば、老舗になっちゃたりするのが映画祭」と私見を述べ、「才能ある映画人の発掘をつぶさないでほしい、とすごく思う。審査員も、熱海国際映画祭で才能あるクリエイターを発掘しようと真剣。昨夜3軒ほど市内を呑み歩いたけど、熱海は食べ物が美味しいし、人がいい。ここで発掘した映画人が成長し、いずれ熱海に別荘を持って貰えばいい」と結び、笑いを誘った。
熱海国際映画祭は28日から7月1日まで国内外から応募があった1234作品から選ばれた32作品をメーン会場のホテルサンミ倶楽部とサブ会場のカフェバー&ゲストハウス「ennova(エンノバ)」(市内春日町)で上映。桃井かおりさんが監督・主演の「火 HEE」、「赤い原罪」(韓国)、「リケ恋」の招待作品もホテルサンミ倶楽部と起雲閣で上映される。
授賞式・クロージングセレモニーは30日午後5時30分から起雲閣で開く。グランプリ作品は1日午前11時からホテルサンミ倶楽部クラブで上映する。入場料は各日とも1日券1500円、1回券800円。
(熱海ネット新聞)
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■髪林孝司氏(フォーカス代表取締役) 紆余曲折したが、熱海で第2回熱海国際映画祭を開催できてうれしい。グランプリ作品は今回も東京、大阪、名古屋のイオンシネマで上映する。質の高い作品が集まっており、ご覧になった方に満足していただけると思う。映画を育てたいと協力していただいた映画関係者に感謝している。
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