
熱海市渚町の老舗旅館「渚館」(松田正久社長)が、全国でホテルや不動産開発を手がける東日本都市開発(千葉県船橋市)に事業譲渡することが11月25日、分かった。11月中に事業継承の契約を交わし、12月13日から東日本都市開発事業部のホテル音羽の森(長野県軽井沢町)が運営する。
渚館は1953年に松田社長の父・国太郎氏が創業。地上5階建、地下1階、全15室(収容50人)。熱海海上花火大会の会場に近く、ジャカランダが観賞できる料理旅館として知られ、熱海温泉を代表する旅館の一つとして親しまれてきた。
しかし、収益を支えていた団体客の割合が減少していることや後継者がいないことなどから、経営状態が良い状態での譲渡がベストと判断し、今年7月ごろから山岡社長と話し合いを続けてき。約25人の従業員は、希望者全員が東日本側に転籍する。
東日本都市開発は、長野県の旧軽井沢ホテル音羽ノ森や東京都の水天宮ホテルなど14のホテル開発を手がけるが、温泉旅館は渚館が第一号。熱海での展開も初めてとなる。
(熱海ネット新聞)
《解説》活況が続く熱海市では、既存するホテル・旅館の付加価値が上がり、売買の動きが活発化している。熱海市泉の湯河原温泉「ホテル東横」の運営会社もこのほど、静岡県賀茂地域で旅館を展開する「喜久多グループ」(東伊豆町、定居康夫社長)に経営譲渡。当面、現状のまま営業を続け、2020年4月から休館して改装に着手。同年初夏ごろの再開業を目指す方針。2020年東京オリンピック・パラリンピック前の今が、高値のピークとみられ、他の施設でも経営譲渡の交渉が進行している。
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