
熱海市の総合塗装会社「モリボー」常務の森厚太さん(28)が「20代の若者視線でとらえた熱海のまちづくり」をテーマに、「元甲子園球児、地元熱海のために一本を誓う」を出版した。
森さんは、熱海市生まれ、童園幼稚舎、第二小、熱海中から早稲田実業高時代(早実高)をへ進み、4番打者として選抜高等学校野球大会(センバツ)で活躍。早稲田大学でも野球を続け、卒業後は静岡銀行に入行。約4年半勤めたあと、家業である塗装など総合改修工事を手がける「モリボー」に入社した。
早実・早大の先輩斎藤佑樹投手(日本ハム)をはじめ、多くの人たちから「復活した熱海人気」を尋ねられたことや、センバツに出場した際、バス6台で甲子園球場のアルプススタンドに駆けつけ、応援してくれた熱海の人たちに恩返したいと考えたことが、執筆のきっかけとなった。
本では、森さんが野球を始めた軟式野球チーム「熱海ラビットジュニア」の小学生時代、クラブチーム「静岡裾野シニア」で全国大会に出場、日本代表として全米大会を経験した熱海中学時代、1年生から4番ファーストで活躍、2009年センバツでベスト8に進出した早実高時代、神宮球場を沸かせた早大時代、静岡銀行での地銀マン時代のエピソードのほか、72年続く実家のモリボー創業者で祖父の重男さん、父親で代表取締役の有光さんと取り組む「働き方改革」、野球の花形舞台で学び、20代の若者視線でとらえた熱海のまちづくりへの提言を分かり易くつづっている。
静岡銀行時代の仲間
熱海に戻って2年。先輩の職人たちから改修工事のリノベーション(改修)技術を学びながら、熱海の強味を感じ、噛み締めている。
「海に山が迫り、坂が多い高低差のある熱海は地形が複雑。現在の建築基準法ではそのまま建て替えるのが困難な建物がたくさんある。海が近く風が強いので足場を組むのも難しい。塩害対策も必要。その中で長年にわたってホテルや旅館などの再生で培ってきた熱海の保全工事の手法は他所にはない技術の高さ。熱海市の西部地区の住宅地には仕事を引退した高齢者がたくさんいる。そういう人たちと協働で空き地を活用し、子育て世代の若い人たちが住みたくなる、魅力あるリノベーション街づくりにチャレンジしたい」
本は四六判で184ページ。クラウドファンディングで出版資金を募り、500部を印刷。支援者に配布したほか、図書館などの公共施設、お世話になった方々に贈呈する。増刷し、一般書店での販売も検討している。
(熱海ネット新聞・松本洋二)
■問い合わせ…morikouta38@yahoo.co.jpへ。
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