静岡県議会9月定例会は9月25日、藤曲敬宏(自民改革会議)、伴卓(ふじのくに県民クラブ)の両氏が代表質問を行った。最初に登壇した最大会派で熱海市選出の藤曲氏(副政調会長)は、90分に渡って自民党を代表して川勝平太知事と舌戦を展開した。
藤曲氏は「リニア推進論者」と述べながら、水資源への影響を理由にトンネル工事に反対し、2027年の開業が難しくなっているリニア中央新幹線整備における知事の政治判断に言及。「知事の口からは国やJRに対する批判ばかりが続き、トンネル工事着手自体に反対しているのではないか。JRは工事中の湧水を全量戻すのは技術的に不可能としている。(水は一滴も譲れないという)知事の主張は、国やJR東海を全面的に敵に回す可能性がある。リニアの開業遅れは“静岡問題“と騒がれ、第二の沖縄辺野古問題になりかねない。知事はどのような着地点を見据えているのか」と切り込んだ。
知事は「現在も推進すべきである、という考えには変わりはない。一方、南アルプスを保全し、命の水を確保するのは私の責務」とした上で「今後、国の有識者会議を踏まえてJRと対話を進め、県民の理解を得るのが着地点」と述べた。
これに対し、藤曲氏は「今は専門家が出す結論を見守る時期。それまであちらこちらで自論を言わないで静観していただきたい。いろんなことを言えばいうほど、感情的なものが混り、こじれる。このままでは川勝知事がいる限り、解決できるか心配になる」と苦言を呈した。
このほか、藤曲氏は、コロナ対応における市町との連携、県財政の現状認識と施設整備計画の見直し、保健所と消防本部との協定締結の必要性、森の力再生事業ともりづくり、観光産業の早期回復に向けた取組、東京2020オリンピック・パラリンピック、GIGAスクール構想の取組状況などについて質問した。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、藤曲氏の後援会は恒例の「県議会傍聴バスツアー」を取りやめ、原規公後援会長、川崎秀和同副会長らが緊張感につつまれた知事との論戦を見守った。
(熱海ネット新聞)
■会派別議員数 自民改革会議(38)、ふじのくに県民クラブ(18)、公明党静岡県議団(5)、無所属(6、共産党1含む)
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