旧暦の8月15日に当たり「仲秋の名月」(十五夜)となった10月1日、熱海市の伊豆山神社とハートピア熱海で伝統行事「源実朝をしのぶ仲秋の名月伊豆山歌会」が開かれ、1年でもっとも美しい月明かりの下、鎌倉幕府第3代将軍で歌人としても知られる源実朝公をしのんだ。
同歌会の十五夜祭は午後6時半から同神社で開催。原嘉孝宮司と大鳥居素禰宜が厳かに神事を執り行い、新型コロナウイルス感染症収束も含め、地域の安寧を祈った。献歌と舞の奉納では「第69回源実朝をしのぶ仲秋の名月伊豆山歌会」で選者を務め、現代歌壇で活躍する三枝昂之さん、東直子さん、江戸雪さん、佐佐木定綱さんが順に句を詠みあげ、地元中学生5人(島凰花さん、小澤ゆりさん、中田憂生さん、高橋奏音さん、豊嶋彩生さん)が「頼朝の舞」を披露した。
実朝(1192年〜1219年)は同神社とゆかりが深く、伊豆山神社に参拝に訪れる際に十国峠で詠んだ「箱根路を我が超え来れば伊豆の海やおきの小島に波のよる見ゆ」は、広く知られる。今年は、新型コロナウイルス感染症に配慮し、出席者は神職と歌人、神社関係者、主催者の少人数で開催。齋藤栄市長、大館節生総代長、竹部隆市議会議長らが玉串を捧げた。同歌会ジュニアの部(小学生の部と中学生の部)の天位受賞者の献歌および恒例の「平家物語」献読、琴及びフルートの献奏は取りやめた。
源実朝をしのぶ仲秋の名月伊豆山歌会の各賞発表は、午後4時から伊豆山のハートピア熱海で行い、三枝昂之、東直子、江戸雪、佐佐木定綱の4氏が選考してそれぞれ天位、地位、人位と次点を決めた。今年は31都道府県から一般の部に郵送で281首、小学生359首、中学生497首の応募があった。一般の部では熱海市の沢田俊美さん(東直子選・天位)と太田昭子さん(江戸雪選・次点)の作品が受賞した。新型コロナウイルス感染防止のため、表彰式は一般の部の入選者だけ出席した。
(熱海ネット新聞)
主催:熱海市、伊豆山温泉観光協会
後援:一般社団法人角川文化振興財団「短歌」編集部
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。