毎年多くの初詣客でにぎわう熱海市の来宮神社で12月15日、正月の縁起物「まゆ玉」の授与が始まった。まゆ玉は家庭や職場にまつることにより、家内安全・商売繁盛の福をもたらすとされ、新年の参拝者に人気がある。例年は年明けから授与するが、新型コロナウイルス感染拡大防止の分散型の初詣対応のため、半月前倒しした。
優しい色合いのまゆ玉が所狭しと並ぶ社務所では、飛沫(ひまつ)防止のフェイスシールドを着用した6人の巫女が交代で飾り付けを続け、20日ごろまでに600本仕上げる。今年はコロナ感染防止のため、同時に作業する人数を減らしたため、例年より400個減らした。
15日は、巫女長の湯田実咲さんと巫女の鈴木奈々さんが担当。鈴木さんは「コロナが収束し、皆さまが繭玉のような彩り鮮やかな1年を迎えられることを願って飾り付けています」と話した。
赤・青(緑)・白・黄・紫(黒)の5色は魔よけの色とされ、上新粉に色を付けて練りこんだ玉は福を象徴し、食べることもできる。価格は2000円から1万円。例年正月3が日で完売するが、雨宮盛克宮司は「今年はコロナ対応で年末から1月、2月に分散し、ゆとりを持った参拝を案内している」と話し、1日の個数を調整するなどして分散型授与を予定している。
まゆ玉のほか同神社では、破魔矢、絵馬、土鈴、お守りなど縁起物5万点を用意し、初詣参拝客に備える。例年正月3が日で10万人、年間で72万人が参拝に訪れる。
(熱海ネット新聞)
■まゆ玉 熱海市近隣で採取した萩の枝にまゆを見立てた5色の玉を取り付け、大黒、えびす、タイ、小番、招き猫、的をまつっている。かつて盛んだった養蚕に由来。大きいものだと1つ仕上げるのに2時間半以上かかる。
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