

大型連休に合わせ、熱海市の澤田政廣記念美術館で企画展「彫刻と油彩画」が始まった。文化勲章受章彫刻家で熱海市名誉市民の澤田政廣(1894~1988)は、93歳で没するまで、木彫作品を中心に絵画・陶芸・版画・書などさまざまな芸術の領域にわたって創作活動を続けた。
今回の企画展では、旧制韮山中学(現在の韮山高校)当時に熱海の魚見崎、来宮神社、お宮の松などを描いた油絵19点を展示。韮山中学時代に親しんだ柔道やテニスの写真や様々なスポーツの一瞬を捉えた木彫、ブロンズ像などの作品もある。

同美術館によれば、少年時代の澤田は画家を志していたが、「画家として生計を立てるのは大変、木彫なら仏像をつくる道も開ける」という両親の意向もあり、旧制韮山中を中退して熱海市出身で東京在住の山本瑞雲(高村光雲の高弟)に弟子入り。そこで5年間の修行生活を送り、東京美術学校彫刻科別科卒業した。木彫作家として後世に名を残したが、少年時代の絵画にも力強い生命感と詩情が見て取れる。
同美術館は、澤田政廣の作品約1200点(彫刻は約200点)とコレクション約6400点を所蔵し、年に4階程度作品を入れ替える。学芸員の藤田実花さんは「毎回、工夫を凝らして展示替えするが、澤田政廣の旧制韮山中学時代の絵画を中心に展示するのは珍しい。今とは違う明治後期から大正初期の熱海の風景をご覧になってください」と観覧を呼び掛けている。4月23日〜8月22日まで。
(熱海ネット新聞)
■問合せ 熱海市立澤田政廣記念美術館(0557-81-9211)














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