台湾の大使館に当たる「台北駐日経済文化代表処」の蔡明耀副代表と在日台湾人や医療関係者でつくる団体の代表が8月22日、伊豆山の大規模な土石流災害で被災した熱海市に不織布マスク4万枚を届けた。
寄贈式は熱海市役所で行われ、蔡副代表と全日本台湾連合会の趙中正代表、長峰俊次事務局長、台湾七医学大学歯科同窓会の廣内世英日本代表など7人が齊藤栄市長に手渡した。
新型コロナウイルスのワクチンの調達が遅れていた台湾では、日本政府から贈られた百数十万回分のワクチン提供に感謝しており、伊豆山土石流災害で心を痛めた多くの台湾国民が「ワクチンの恩返しがしたい」と望んでいたという。
そんな背景から長峰事務局長が東海大学医学部時代に同級生だった熱海市の「渡辺耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック」渡辺修一院長に「土石流の被災者に役立てることはないか」と相談し、被災者支援のオリジナルマスクを届けた。“大使館“が全面協力してコンテナを用意し、空輸、配送を迅速に進めた。
マスクには、台湾で人気がある黒いクマのキャラクターと桜、富士山が描かれ、「日本ありがとう」の文字が添えられている。
家族旅行で何度も熱海を訪れている蔡副代表は「台湾と日本はこれまで、地震などの自然災害が発生した際、互いに助け合ってきた。私たちは『日台共栄』をモットーにしており、日本は母国、台湾は祖国。できるだけ早く災害から回復してほしい」と話した。
齊藤市長は「渡辺先生と長峰先生は大学医学部の同期。ドクターつながりで寄贈の話があり、あらためて日本と台湾は固い友情で結ばれているなと。土石流から7週間、まだ行方不明者もいて捜索を続けながら被災者の支援をしている。ホテルに滞在している人も184人。台湾の皆さまからの支援はありがたい。熱海だけでなく日本全体としてもうれしい」と応じた。
今回の寄贈を取り持った渡辺院長は「(日本政府の)ワクチンの恩返しがしたいとの申し出があり、市長と相談してマスクを寄贈していただいた。台湾製のマスクは非常に質が良く、触っただけで一般のマスクとの違いが分かる。台湾の人たちは親日で熱海のファンが多い。これからもっと友情が強くなっていく」と期待を込めた。
(熱海ネット新聞)
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