熱海市議会(定数15人)は9月15日、9月定例会を伊豆山土石流の対応を優先させるため、 1日のみで開催。冒頭で土石流犠牲者に 1分間の黙祷をささげ、一般質問などを行なった。
一般質問を前に、橋本一実氏が「議員として行政当局に盛り土に関する質問状や問い合わせ、資料請求したが、主要部分には無回答。この状況を改善するには、法に許された議会の調査をし、原因追求を行うための特別委員会設置が必要」と地方自治法百条に基づく調査特別委員会(百条委員会)設置の動議を提出した。百条委員会は関係者の出席や証言、記録の提出を求めるなどつよう調査権なあり、証言を拒否するなどした場合、罰則規定がある。
可決されれば、熱海市議会では初めてとあり、傍聴席には早期の原因究明を期待する被災者や伊豆山地区の住民が次々に駆け付け、見守った。傍聴席が密になったことから、議会事務局は急きょ、議場下の会議室を解放してリモートでの傍聴を呼びかけた。
討論や質疑では、「市が盛り土問題の経緯を10月中旬に議会側に示す方針を示しており、議会側の対応はその後に決めるべきだ」「今は被災者への生活支援を優先させることが急務」との反対意見が大勢を締め、賛成少数(橋本氏、山田治雄氏、小坂幸枝氏の3氏)で否決された。
市内3団体から提出された土石流災害の被災者救済や原因救命を求める請願」については、全会一致で採択した。しかし、被災者からは「26人が亡くなり、 1人がいまだに行方不明。熱海市始まって以来の大惨事にもかかわらず、市にも議会側にも本気で盛り土の原因解明に取り組もうという姿勢が見られず大変残念。それをさせたくない、何か大きな力が背後で働いているのか、そんな疑問さえ感じる」という声も聞かれた。
(熱海ネット新聞)
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。