
熱海市内の花火大会を手がけるイケブン(静岡県藤枝市)は10月23日、熱海湾で「SHIZUOKA・ATAMI HANABI FESTIVAL 」を開催した。午後8時から県内の全花火製造会社(8社)が交代で40分間に渡って花火を打ち上げ、5500発が夜空を彩った。観衆は市の総人口に匹敵する推定約3万5000人。ここ数年では最多となった。
文化庁の「コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の支援事業」に採択され、2千万円の補助を受けて開催。熱海市のコロナ及び土石流災害からの復興と中止が続いた花火会社、アーティストの活動支援が狙い。合わせて財源を行政や地元経済団体に頼らない花火大会の実証実験として熱海が選ばれた。
主催したイケブンは、有料特別観覧席(1人1万円、300席)をインターネットの特設サイトで販売。花火は熱海サンビーチをはじめ、各所で無料で見られることに加え、チケットが高額だったことから、成功を疑問視する声が多かった。しかし、たちまち完売。100席を追加するほど、盛況を極めた。入場ゲート前に設けられた伊豆山土石流災害の募金箱への寄付も相次いだ。
市観光協会の中島幹雄会長は「チケットを購入して熱海の花火を観賞したいという人がこれだけ多くいるとは…。大変参考になった。通常の花火大会も工夫を凝らし、事業として成り立つよう努めたい」と話した。
チケット購入者限定のステージは打ち上げ前にムーンテラスで開かれ、三宅島伝統の「三宅太鼓」の演奏でスタート。徳島のエンターテイメント集団「寶船」、関東の有名連「湘南さぎさ連」が阿波踊りを披露。花火のステージ間にも演舞した。会場内のフードコートでは「網代温泉ひもの祭り」でお馴染みの焼き立てのアジの干物などが振る舞われ、夏のトップシーズンに勝るとも劣らない賑わいを見せた。その後、レインボーデッキと渚デッキの特設席に移動して花火を観賞した。イベントの成功で市内のホテル旅館はフル稼働、飲食店も混雑が続いた。
(熱海ネット新聞)
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